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06月07日-03号

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  1. 花巻市議会 2018-06-07
    06月07日-03号


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    平成30年  6月 定例会(第2回)平成30年6月7日(木)議事日程第3号平成30年6月7日(木) 午前10時開議 第1 一般質問  (1) 鎌田幸也君  (2) 近村晴男君  (3) 菅原ゆかり君  (4) 増子義久君本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問  (1) 鎌田幸也君  (2) 近村晴男君  (3) 菅原ゆかり君  (4) 増子義久君出席議員(24名)   1番  菅原ゆかり君     2番  増子義久君   3番  照井省三君      4番  松田 昇君   5番  高橋 修君      6番  瀬川義光君   7番  内舘 桂君      8番  藤原 伸君   9番  藤井幸介君     10番  若柳良明君  11番  本舘憲一君     12番  藤井英子君  13番  小原雅道君     14番  大原 健君  15番  高橋 勤君     16番  伊藤源康君  17番  櫻井 肇君     18番  照井明子君  19番  阿部一男君     20番  近村晴男君  21番  高橋 浩君     22番  鎌田幸也君  23番  藤原晶幸君     25番  中村初彦君欠席議員  なし説明のため出席した者 市長        上田東一君   副市長       佐々木 忍君 教育長       佐藤 勝君   選挙管理委員会委員長                             大原皓二君 農業委員会会長   伊藤繁弘君   監査委員      戸來喜美雄君 総合政策部長    市村 律君   地域振興部長    久保田留美子君 財務部長      八重樫和彦君  農林部長      菅原浩孝君 商工観光部長    松田英基君   市民生活部長    細川 祥君 建設部長      赤平勝也君   健康福祉部長    熊谷嘉哉君 生涯学習部長    市川清志君   消防本部消防長   小田島 満君 大迫総合支所長   藤田哲司君   石鳥谷総合支所長  菅原善幸君 東和総合支所長   菅谷一雄君   教育委員会教育部長 布臺一郎君 理事        藤原忠雅君   総務課長      伊藤徳明君 財政課長      伊藤昌俊君職務のため議場に出席した事務局職員 事務局長      高橋 靖    議事課長      久保田謙一 議事調査係長    舘下真智子   主査        高橋俊文     午前10時00分  開議 ○議長(小原雅道君) おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の会議は議事日程第3号をもって進めます。 ○議長(小原雅道君) 日程第1、一般質問を行います。 本日最初の質問者、鎌田幸也君。(拍手)    (鎌田幸也君登壇) ◆22番(鎌田幸也君) おはようございます。22番、市民クラブの鎌田幸也です。 通告いたしております大項目の2件について、順次質問をいたします。 上田市長におかれましては、2日間、東京のほうでの全国市長会並びに県内の市長とともに要望活動、大変お疲れさまでございました。帰って間もなくで、お疲れでしょうけれども、御答弁をよろしくお願いいたします。 最初に、農業政策についてお伺いをいたします。 1点目は、米の生産調整の廃止の影響について伺います。 1970年から半世紀余り続いた国主導による生産調整、いわゆる減反政策が廃止となり、今年度から生産量の目安は示されるものの、米の作付は個々の農家の判断に委ねられることになりました。作付過剰による米価の下落が心配されます。各生産者からの営農計画書も提出され、農協などとの出荷契約等も終了しておりますが、今年度の主食用米の作付面積はどのような状況でしょうか。昨年度との比較及び目安面積との差についてお示しをください。また、生産調整に協力をした生産者に支払われていた直接支払交付金、これは10アール当たり7,500円ですけれども、これも今年度から廃止となりましたが、その影響と対応策についてもお尋ねをいたします。 2点目は、環境保全型農業直接支払交付金の要件変更による影響について伺います。 この制度は地球温暖化防止や生物多様性の保全に取り組む営農活動を支援するために平成23年度に創設されましたが、今年度から交付要件が見直され、交付対象であったエコファーマーが外されて、GAP、いわゆる国際水準の農業生産工程管理の実施が義務づけられました。ハードルが高くなったような気がしますが、市内の生産組織等の交付申請状況に変化はないのでしょうか、お尋ねをいたします。 3点目は、農作業事故防止への取り組みについて伺います。 農業従事者の高齢化や農業機械の大型化、農繁期における作業の集中など、さまざまな要因があると思われますが、農業機械による事故が一向になくなりません。圃場での事故ばかりでなく、移動中の交通事故など、第三者を巻き込むような事故も起きております。花巻市においても、昨年3件の農作業中の死亡事故が発生しておりますし、ことしに入ってからも県内では3件の死亡事故が発生していると伺っております。春と秋の農繁期には農作業安全月間を設けて広報活動などを行っておりますが、農業の担い手や後継者を失わないためにも、今以上の取り組みが必要と思われます。当局のお考えをお示しください。 農業政策についての最後に、農業委員の任命及び農地利用最適化推進委員の委嘱についてお伺いをいたします。 改正農業委員会法が平成28年4月に施行され、花巻市においても昨年12月に花巻市農業委員会委員等定数条例が定められ、農業委員の定数は24人、農地利用最適化推進委員の定数は28人となりました。改正農業委員会法では、農業委員における認定農業者の割合や、女性や青年の登用、第三者的立場の委員の任命、公募による委員の任命などが規定されております。今回の任命に当たって、これらの規定を満たしているのか、お尋ねをいたします。また、農地利用最適化推進委員については特段の規定はありませんが、認定農業者の割合や女性、青年の登用についてお尋ねをいたします。 次に、スポーツ振興についてお尋ねをいたします。 花巻市では、生涯スポーツの推進、競技スポーツの推進、大規模スポーツ大会の開催を中心施策としてスポーツの振興を図っておりますが、今回私は生涯スポーツの推進についてお尋ねをいたします。 競技スポーツや大規模スポーツ大会の開催は、その成果がはっきりとわかりますが、生涯スポーツはなかなか見えにくいところがあります。しかしながら、健康維持や地域社会の活性化にとって非常に大切であると考えられます。花巻市においても、早起きマラソンの開催や軽スポーツ・ニュースポーツのイベント開催、地域への指導者派遣などの事業を展開しておりますが、参加状況はどのようでありましょうか、お尋ねをいたします。 また、子供向け、高齢者向けの事業は比較的充実しているように思われますが、働く世代、特に中高年と女性が参加できるような事業の必要性を感じます。当局のお考えをお示しください。 スポーツ振興の2点目は、中学校の部活動について伺います。 長時間のクラブ活動、これは運動部ですけれども、そのクラブ活動による弊害、例えば勝利至上主義による生徒のバランスのとれた成長の阻害、顧問を務める教員の負担増などが問題となり、スポーツ庁はことしの春、外部指導員の任用や週2日以上の休養日の設置、活動時間の上限、平日2時間、休日3時間程度というふうな設定など、運動部活動のガイドラインを示しております。市内11中学校における外部指導者の状況、休日の活動状況についてお尋ねをいたします。 また、生徒の減少により、サッカーや野球などプレー人数の多い団体競技では単独チームの編成が困難な例が出てきており、特にも3年生が引退する新人戦で顕著になっていると伺っております。生徒、部員の減少による部活動の休止や廃部の状況及び複数校による連合チームとしての活動や公式試合への参加があるのか、ないのかについてもお尋ねをいたします。 以上で登壇しての質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 鎌田幸也議員の御質問にお答えします。 1件目の農業政策についての1点目、米の生産調整廃止の影響についての1つ目、今年度の主食用米の作付面積についてのお尋ねでありますが、本舘憲一議員に対して答弁いたしましたが、国においては平成30年産以降、行政による生産数量目標の配分を廃止し、主食用米の需給見通しに関する情報提供を行うことになった次第でございます。岩手県でもその情報をもとに、岩手県農業再生協議会で県と市町村別の生産目安を設定し、情報提供を行っており、本市におきましては市、花巻農協等で構成する花巻市農業推進協議会において、岩手県農業再生協議会から示された生産目安に基づき、認定方針作成者から生産者ごとの生産数量目標にかわる生産目安の提示を行っております。 本市における主食用米の作付面積は、平成29年度は6,773ヘクタール、平成30年度の作付面積は7,062ヘクタールとなっており、前年対比で289ヘクタール増加したものの、平成30年度の生産目安7,208ヘクタールに対しては146ヘクタール下回っている状況であり、生産目安の範囲内で需要に応じた主食用米の生産が行われる予定となっております。 次に、2つ目の直接支払交付金(7,500円、10アール当たり)廃止の影響と収入減の対応でありますが、本市における米の直接支払交付金の交付額につきましては、平成28年度が4億6,344万円、平成29年度が約4億6,041万円となっておりますことから、交付金の廃止による収入減は4億5,000万円以上になるものと見込んでおります。 米の直接支払交付金の廃止により、これまでのような需給調整が困難となると予想もされていたことから、岩手県農業再生協議会から示される生産目安をもとに、需要に応じた主食用米の生産を確保するほか、県に対しまして米の需給安定に資する新たな支援策を創設するよう、国に対して要請するとともに水田活用の直接支払交付金や国、県、市の補助事業等を活用し、飼料用米や加工用米、園芸作物などの転作作物に対する支援を引き続き行っております。 なお、昨日の全国市長会においても、この農業再生協議会、全国組織の役割をしっかり確立することと、国の関与を求めるというようなことが要望事項の一つとして入れられたところでございます。 次に、2点目の環境保全型農業直接支払交付金の交付要件変更の影響についてのお尋ねでありますが、平成30年度環境保全型農業直接支払は、議員御指摘のとおり従来の交付要件であったエコファーマー認定を要件から外し、かわりにいわゆる国際水準GAPの取り組みを実施していることが、新たな要件として大きく変更となったところであります。 また、従来は同一農地において1年間に複数回の対象活動を行う場合、2取り組みまで対象となっていたものが、複数取り組みへの支援の廃止や地域特認取り組みより全国共通取り組みが優先して予算配分されるなど、要件が変更されております。 国際水準GAPの取り組みにつきましては、認証取得を求めるものではないものの、交付金を受け取る全ての農業者が国際水準GAPの研修を受けて取り組みを実施する必要があることから、環境保全型農業直接支払交付金事業の取り組みを希望する農業者を対象に、6月に中央農業改良普及センターが中心となってGAPの取り組みに対する研修会を開催する予定となっております。 平成29年度において、花巻市から交付金の対象となった団体及び取り組み面積は20団体、約790ヘクタールでありますが、市としても前年度の交付団体が引き続き環境保全型農業直接支払交付金の対象となるよう、関係機関と連携して国際水準GAPの研修を受けて取り組みを実施することについて支援してまいりたいと考えておりますし、また、ぜひそのような取り組みを実施していただきたいと思っているところでございます。 次に、3点目の農作業事故防止への取り組みについてのお尋ねでありますが、岩手県が取りまとめた農作業死亡事故発生状況によりますと、市内においては平成25年度に1件、平成26年度に1件、平成29年度に3件、平成30年度も既に1件の農作業死亡事故が発生しており、被害者はいずれも75歳以上の高齢者の方となっております。その内容につきましては、トラクターやトラックの運転中の事故などとなっており、発生場所は圃場のほか、ビニールハウス内や路上などとなっております。 市では、農繁期を迎える春と秋の農作業安全月間期間中や気温が上昇する夏季期間中に、市ホームページへの情報掲載や花巻農業協同組合の施設や各総合支所、各振興センターへのポスター掲示等により、農作業事故防止熱中症予防対策を呼びかけております。また、農林水産省が作成した農作業安全リスクカルテ市ホームページで紹介し、活用を呼びかけているところであり、踏切事故や転落事故等の防止も含め、農業者の農作業に対する安全意識の高揚や安全管理の徹底を図るため、農業関係機関・団体と連携しながら、愛農土塾・集落型経営体研究会研修会や花巻農協各生産部会の総会、研修会等、機会を捉え農業者へ周知してまいります。 次に、4点目の農業委員の任命及び農地利用最適化推進委員の委嘱についてのお尋ねでありますが、農業委員の選出につきましては、農業委員会等に関する法律の一部改正に伴い変更となり、平成28年4月1日から施行されていることについては、議員御案内のとおりでございます。 主な改正点につきましては、農業委員は御存じのとおり従来の公選制から市長が任命する方法に改められました。任命に当たっては、農業委員会等に関する法律第8条第5項により認定農業者が農業委員の過半数を占めるようにするほか、同法第8条第6項により農業委員会の所掌に関する事項に関し、利害関係を有しない者が含まれること、同法第8条第7項により委員の年齢、性別等に著しい偏りが生じないように配慮することが求められています。なお、花巻市農業委員会委員の定数は、同法施行令第5条及び第7条により平成29年12月市議会定例会で定数24名と決めていただいたところであります。 農業委員の募集につきましては、各地区行政区長会会長及び花巻地域農家組合協議会長花巻農業協同組合花巻商工会議所に推薦を依頼したところであります。今回の農業委員候補者は、行政区長、会長からの推薦8名、農家組合長からの推薦8名、自治会長からの推薦2名の団体推薦18名、花巻農業協同組合からの推薦2名、花巻商工会議所からの推薦1名、3人の連名による個人から推薦された者3名の合計24名でありました。 1つ目の認定農業者の割合についてでありますが、今定例会におきまして花巻市農業委員会委員の任命に関し議会の同意を求めようとしている農業委員候補者については、認定農業者は24名中15名で、割合は62.5%であります。 2つ目の女性や青年農業者の登用についてでありますが、女性は7名、青年農業者は40歳代が3名であります。 3つ目の中立委員及び応募した者についてでありますが、中立委員は花巻商工会議所に利害関係を有しない者1名の推薦を依頼し、推薦された者1名でありました。農家組合協議会等の団体、3人の連名による個人からの推薦以外に応募した方はございませんでした。 なお、農地利用最適化推進委員の委嘱につきましては、農業委員会会長から答弁いたします。 2件目のスポーツ振興についての御質問にお答えいたします。 1点目の生涯スポーツの各種事業への参加状況についてのお尋ねでありますが、一般財団法人花巻市体育協会や花巻市スポーツ推進委員と連携し、生涯スポーツの推進に取り組んでおります。全ての事業において年齢や性別を把握しておりませんが、花巻市が補助をし、花巻市体育協会が行った平成29年度事業では、スポーツ教室を37教室、延べ358回開催し、延べ6,073人が受講しておりますが、そのうち受講者の年齢及び性別を把握している25教室の実施状況についてお答えいたします。 まずは、幼児を対象とした事業は2事業で、男女の割合は男子54.2%、女子45.8%となっております。次に、小学生を対象とした事業は5事業で、男女の割合は男子46.2%、女子53.8%となっております。一般を対象とした事業は13事業で、10代の受講者の割合は2.4%、20代は4.2%、30代は6.6%、40代は21.6%、50代は32.9%、60代は26.9%、70代は4.2%、80代は1.2%で、全体の男女の割合は男性が30.5%、女性が69.5%となっております。 また、このほかに募集対象を40歳以上とした事業が5教室あり、40代の受講者の割合は7.5%、50代は11.3%、60代は64.2%、70代は17.0%で、全体の男女の割合は男性35.8%、女性64.2%となっております。 次に、中高年・女性向けの事業の展開についてのお尋ねでありますが、平成29年度に実施しました募集対象を40歳以上とした5事業につきましては、本年度も継続して実施することとしており、内容といたしましては、体幹トレーニング教室ウオーキング教室となっております。また、前段に申し上げましたとおり、スポーツ教室の受講者は40代から60代の方が大半を占め、女性の割合も全体の7割弱となっておりますことから、特に中高年や女性に対象を絞った事業の展開は考えていないところであります。 そのほかにつきましては、教育長、農業委員会から答弁いたします。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。    (教育長登壇) ◎教育長(佐藤勝君) 2件目のスポーツ振興についての2点目、中学校の部活動につきましての御質問にお答えいたします。 1つ目の外部指導者の状況につきましての御質問でありますが、中学校では常設の部、クラブにおいて、必ず顧問となる教員を1名、あるいは複数名配置しております。しかし、顧問が担当する部活動の未経験者であったり、指導力が不足したりするケースが生じております。そのため、専門的な技術指導を主に担い、顧問をサポートしていただく外部指導者、いわゆる外部コーチを全ての学校で委嘱しております。 外部指導者となる方は、学校によって依頼の方法は若干異なりますが、多くは地域の専門性のある方を保護者や顧問の了承を経て、学校長が最終的に委嘱状をもって依頼する形が多い状況にあります。その際、専門的な経験からの競技力の向上だけでなく、生徒理解を深め、礼儀や社会性を育てる等、生徒の健全育成も重視して指導していただくよう依頼しております。外部指導者をお願いする場合、多くの方は平日の御自身の勤務時間終了後や土曜日、日曜日等休日での練習参加、各種大会参加時の会場内での指導、助言に当たり、ボランティア的な立場で学校と連携しながら生徒に指導していただいております。 昨年7月の市内中学校に対する調査では、市内11校全てで外部指導者を委嘱しております。各中学校の部活動総数178クラブに対し、外部指導者委嘱総数は185名となっております。これは11校それぞれについて平均16.8名の外部指導者が委嘱されている計算になります。単純計算すると、おおむね1つの部活において1人平均の外部指導者をお願いしていることになります。 中学校としては、顧問のかわりに生徒を適切に指導してくれる外部指導者の存在に感謝しながら、学校、保護者、指導者、それぞれが同じ目標に目を向けて、生徒の健全育成をなし遂げるために、協力体制、強固な連携を外部指導者の方に期待しているところであります。 2つ目の休日の部活動状況につきましての御質問にお答えいたします。 さきの伊藤源康議員の御質問にも同じような内容の御質問がございましたので、大変失礼ですが重複する部分については割愛させていただきたいと思います。 土曜日や日曜日、長期休業中など、休日の活動時間について、平成30年4月、5月の状況を見ますと、11校中3校が3ないし4時間以内の活動を「実施している」としておりますが、多くの場合、練習試合や遠征等のため、6校が「おおむね実施している」であり、2校が4時間以上の活動となる「余り実施されていない」と回答しております。休日の活動時間については、昨年度と同様の結果となっており、練習過多の状況も見られるところから、今後の課題と捉えております。 次に、3つ目の生徒数減少による部活動休止問題に関連した連合チーム、いわゆる合同チームのあり方につきましての御質問にお答えいたします。 生徒減少に伴い、花巻市においても、岩手県内各市町村並びに全国的に見ても、合同チームによる活動、試合参加が多くなり、特に議員御指摘のように3年生が引退した後の新人戦の時期では、地区中総体より合同チームが増加する傾向にあります。市内におきましては合同チームの活動は、練習日程の確保、あるいはいろいろな打ち合わせ、そういったことで学校現場では苦慮している状況にあると伺っております。 合同チームを組むことについては、岩手県中学校体育連盟主催大会への出場にかかわって、平成30年度は次の規定が示されております。競技種目においてはバスケットボール、サッカー、バレーボール、ハンドボール、軟式野球、ソフトボール、アイスホッケー、ホッケー、ラグビーの9種目が該当します。この9種目においては、各都道府県中学校体育連盟において、合同チーム結成について、単独校でチーム編成がどうしてもできない場合に限り、一定条件のもと承認され、大会出場等が認められております。 合同チーム編成に当たっては、日本中学校体育連盟の規定に準じて、岩手県中学校体育連盟や各地区中学校体育連盟の規定で認められております。その際、同一市町村もしくは同一地内にある可能な限り近隣の学校でチーム編成することが原則となっております。合同チーム編成する意義は、当該競技に中学校入学以来、その競技に一生懸命取り組んできた生徒に対し大会参加を保障し、部活動で得られた成長を示す狙いもございます。ただし、合同チーム編成に当たっては、いわゆる勝利至上主義を目的として、遠く離れた他地区のいわゆる強豪校同士の結成は、今のところ認められていないことなどの諸条件が申し合わせられております。 現在のところ、本市では、6月に実施される花巻市内中学校総合体育大会において、合同チーム編成を予定している競技はないと聞いております。ただし、平成29年度新人大会においては、バスケットボール競技ソフトボール競技において合同チームが結成されております。本年度秋に開催されます花巻市新人大会においては、現時点での中学校1、2年生の選手登録数から推察すると、本年も野球競技、バレーボール競技ソフトボール競技等、団体戦のみの球技種目で合同チームが結成される可能性があると伺っております。 平成30年度の岩手県中学校体育連盟のこれまでの基本的な方針では、合同チームを認め、地区大会に参加し、競技種目ごとに規定された地区の県大会出場枠数に勝ち残れば、7月に実施される岩手県大会、そして8月あるいは9月に実施される東北大会、全国大会への出場も可能となりますが、卓球、テニス、剣道等、個人種目のある競技では難しい状況にあります。 次に、部活動の休止、廃止につきましての御質問ですが、花巻市においては今後も生徒数減少とそれに伴う教員定数の減少により、各中学校において現在の部活動の規模を維持することが難しい状況になると推察しております。ほとんどの中学校では部活動の存続、いわゆる廃止あるいは休止について規定を設けており、昨年度末にその規定に沿って、入部希望者が何年もいなかったため、ある部活を休止したケースも生じております。ことしも2つの学校で廃部、もしくは廃部の予定をしていると伺っております。部活動の休止、廃止につきましては、地域のスポーツ人口も含め、その年その年の状況も変化すること、一方では生徒数に応じた学校の教員定数など、現実的な問題も絡んでいることもあり、学校としての判断は難しい状況にあります。 教育委員会といたしましては、今後とも生徒、保護者の希望を生かしながら、中長期的な展望に立ち、地域や指導者の方々、あるいは協会関係者等を交え、慎重に部活動の存続等、そのあり方について生徒、保護者との共通理解を図った上で学校の実態を踏まえ、望ましい学校経営の観点から検討を進めるよう助言してまいりたいと、そのように考えております。 ○議長(小原雅道君) 伊藤農業委員会会長。    (農業委員会会長登壇) ◎農業委員会会長(伊藤繁弘君) 1件目の農業政策についての4点目、農業委員の任命及び農地利用最適化推進委員の委嘱についてのお尋ねでありますが、農地利用最適化推進委員は、平成28年4月1日に施行された農業委員会等に関する法律の一部改正に伴い、新設された委員であります。その目的は、担当区域における農地等の利用の最適化の推進のための現場活動を行うこととされております。農地利用最適化推進委員の定数につきましては、平成29年12月定例会で28名と定めたところであります。この農地利用最適化推進委員は農業委員会が委嘱することとなります。農地利用最適化推進委員の要件につきましては、認定農業者の割合や年齢、性別、中立委員は、農業委員会等に関する法律に定められてはいないところであります。 今回の農地利用最適化推進委員候補者は、行政区長からの推薦11名、農家組合長からの推薦13名、自治会長からの推薦4名の団体推薦28名、推薦なくして応募した方が1名でありました。推薦・応募者29名のうち、お尋ねのありました認定農業者は12名となっており、41.4%でございます。男女比は男性28名、女性1名です。この候補者につきまして、農業委員会会長を委員長とし、会長職務代理者、農政部会長、農政部会長職務代理者、農地部会長、農地部会長職務代理者を委員とする農地利用最適化推進委員候補者選考委員会を平成30年5月2日に開催し、団体推薦28名と応募者1名の29名から候補者を28名としたところであり、選考においては選考要領に基づき、農業に関する識見、現場の精通度、地区推薦であるかどうかを重視されたところであります。その選考結果に基づき、6月の農業委員会定例会において農地利用最適化推進委員を決定したいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) それでは、何点か質問をさせていただきたいと思います。 まず、米の直接支払交付金の廃止ですけれども、作付面積については昨年よりも若干ふえているけれども、目標には達していない数字ですよということでした。全国的に見てもほとんど同じというふうなことが言われておりますので、急な生産過剰による下落はないのかなということで1つは安心しましたけれども、約4億6,000万円ぐらいの今まで直接支払交付金があったわけですけれども、それがなくなるということで、この10アール当たり7,500円分の所得をどうするかというというのが大問題だと私は思います。これを収量に直しますと10アール当たりで約37.5キロぐらいの増収をしなければ、減収の分を取り戻すことはできないというふうに考えていますし、また、価格のほうですと30キロ当たり400円ちょっとぐらい米の値段が上がらないと難しいというところがあります。 なかなかどちらにしても大変なことだと思います。ここではブランド米として銀河のしずくをつくっているわけですけれども、それを全部つくれれば、多分1袋当たり400円というのは簡単にクリアはできますけれども、それも全てでできるわけではない。また、今、主力品種でありますひとめぼれをつくって、10アール当たり35キロ以上の増収を目指す、これもなかなか大変だと私は思います。どちらも大変なのですけれども、今以上に例えば銀河のしずくの作付面積をふやすとか、それからもっともっと収量がふえるような支援をするとかは何かお考えでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 米の作付の観点につきましては、やはり良食味、高品質という部分が大切になってきておりますので、市といたしましては農協等関係機関と連携しながら、花巻米の生産確立支援事業という形で、ケイ酸質を含む土壌改良資材を投入する事業に対しての支援を行っております。 そのほかに、先ほど議員からお話ありましたけれども、7,500円相当分として、まず1つ考えられる部分としてはやはり増収もありますし、単価の安定というものもあります。やはり生産の目安に沿った形でしっかりと主食用米をつくることによって需給のバランスをとることができれば、価格についてはある程度安定してくるものというふうに考えておりますので、やはりそういった意味では花巻市だけではなくて、県または全国的にも生産の目安等を守るような形を関係機関・団体と一緒になりながら進めていきたいと思っておりますし、そのほか転作の部分についてもしっかりと換金作物等をつくっていただきながら、農家の所得向上を目指していきたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) 食味というお話がありましたけれども、残念ながら昨年は花巻市を初め、岩手県のブランド米も、ひとめぼれも特Aをとれなかったということがあります。その特Aに向けて、ケイ酸の肥料を施用することもありますけれども、それを続けていってもやはり特Aがとれなかったというのは、天候のせいもあるとは思います。やはりそういう点でも特Aがとれて、確かな品質で、そしてまた適正な値段でということが必要と思いますので、もう一つだけここで聞きます。 ブランド米をつくるというのも一つの手ですけれども、ちゃんと販売が確実な業務用米について推進するというようなお考えはありませんか。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 現在は銀河のしずくもありますけれども、花巻市内はひとめぼれが主流になっております。ただし、やはり実需者のほうからはある程度価格が低くて量のとれるものという話もされておりますので、農協とも連携をとり、生産者の理解も得ながら、そういった品種についても取り組む必要があると考えております。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) ぜひお願いしたいと思います。 続きまして、環境保全型農業直接支払交付金の見直しについてお聞きをいたします。 GAPの研修を受けてGAPに取り組むということが1つの条件ということでして、その研修会をこれから実施するということでした。第三者が、確かにこの農場はこういうことを適正に管理していますよという証明がGAPというふうに思いますけれども、GAP取得の際の研修についてもちょっとお金がかかるというふうに伺っております。その点について農林水産省では支援もするし、インターネットを通じて無料の研修もやるとは言っておりますけれども、なかなか急にGAPをとりましょうと言っても、初めからこれからはもうGAPをとらなくては太刀打ちできないということで意識の高い方だったらよろしいのですけれども、今直接支払を受けている生産組織の方々に急にというのもなかなか大変なような気がしますので、市独自の支援、こういう情報提供も含めて、何かお考えがあったらお願いします。
    ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 環境保全型農業直接支払交付金につきましてはGAP認証の取得の必要はございませんけれども、取り組みということで、先ほど市長答弁したとおりでございますけれども、6月1日に環境保全型農業直接支払交付金に取り組んでいる組織に対しましての説明会等を行いまして、県のほうでGAPの認証に向けて取り組みをしっかり行うという意味での研修会を行うことを周知してございますし、また、先ほど議員からお話ありました農林水産省のオンライン研修の部分についても情報提供しながら、いずれ研修をしっかり受けて、それを実施するというのが大切でございますので、そういった意味では研修等の場において、しっかり取り組みをしようとする農業者の方々に周知してまいりますし、その研修会の中でもなかなか全員出られないのではないかという話もありましたので、それについては別途県とも対応できるかどうかについて相談しながら、農業者の方々に周知していこうと考えております。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) わかりました。 この今回の見直しでGAPの研修を実施しなさいとまではいきませんけれども、将来的にはやはり研修して、実施して、なおかつその理解度と、それから実施内容確認書の提出が必要となっているかと思いました。その辺について、ことしは提出まではなくてもその支払いは受けられるということで考えていいですか。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 平成30年度から研修を受けて、その取り組みをしたという形が1つ必要になりますので、取り組みの報告ということでは、その研修の中身を理解したかどうかとか、どういう形で実践したかという報告は必要になってきます。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) それでは、続きまして農作業事故についてお伺いをいたします。 先ほどの市長の答弁の中にもいろいろありましたけれども、農作業安全リスクカルテをホームページで公開していますとか、それからポスターの掲示、広報等をやっていますということですけれども、実際に一番私が思うのは、答弁の中でも実際に事故を起こしている方というのは75歳以上の方になるわけです。そういう方々がこれからそういうものを見て意識が変わるかといえば、なかなか難しいのではないかと私は思います。今まで女性向けの機械の取り扱い方とかの講習会をやっていますけれども、できれば高齢者向けの講習会等について実施するお考えはないでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 高齢者を対象としては、ちょっと今までやってこなかったわけでございますけれども、実際、私自身も農協の部会等の場では話をしておりますし、県の担当者の方などもそういう場ではお話をしていただいております。また、青空相談会などの際にもそういう話はしていただいておりますけれども、その高齢者を対象とすることにつきましては、ちょっと今後検討させていただければと思います。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) 地域での共同作業、例えば道路際の草刈りとか、それから堤防の草刈り等があるわけですけれども、手前みそといいますか、私たちのところでは昨年の責任者の方が、草刈りの安全講習を受けた方が参加していただかないと、とても何かあったときに私は責任が負えませんということで、その方は建設会社にお勤めの方で、たまたまそういう講習をする資格を持っていましたので、その方が講習会を開きますということで公民館で開いたわけです。テキスト代1人当たり2,000円ぐらいかかったのですけれども、そういう講習会の受講者ではないとこの作業には参加できないということで、お年寄りの方も参加していただいたわけです。ぜひ、しっかりと講習や再講習を受けていただくことも考えていただいて、テキスト代の何割かでも支援していただければ、ありがたいのかなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 それからもう一つ、事故についてですけれども、農機具の共済がありまして、それは事故を起こした際に農機具の補償はしますけれども、乗っている方、そしてまた第三者の方に損害を与えた場合の補償まではないわけです。実際、交通事故等で農業者のほうが悪い場合があって相手の方に損害を与えたということが多々あると思いますし、また自分のところのことで申しわけないのですけれども、列車との接触事故を起こして、その方は亡くなったのですけれども、その際に列車がとまってしまったわけですので、莫大な損害賠償があったと伺っております。たまたまその方は任意保険に入っていたので、何とかそれで支払うことができたというふうに伺っております。 農協でもそういうもののキャンペーンをやっておりますけれども、そういう危険性もありますので、ぜひ、それをお知らせするということで、やはりただただ個人責任でということでは償えない部分もあることを知らせるというのも、一つの予防効果になるのではないかというふうに私は考えます。この点についてもちょっと何かありましたらお願いします。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 農業関係の共済の関係につきましては、愛農土塾とか集落型経営体研修会の中でも周知しておりますけれども、そういう部分はある程度担い手だけになってきた部分もありますので、そこは農協ともちょっと調整をさせていただきながら、座談会などの場でも周知できるようにちょっと検討してまいりたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) よろしくお願いします。 それでは、農業委員のほうに移りますけれども、地区推薦の方とか、それから公募、各団体からの推薦ということで24人の方がお決まりになりました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 1つだけお聞きします。議員説明会の際には、利害関係のない方、第三者的立場の方、お二人を予定していたと記憶しておりますが、今回はお一人の方だけとなりましたけれども、何か理由があったらお願いします。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) できれば利害関係のない方、もしくは公募という意味で2名と考えたわけですけれども、基本的に何名という形ではなくていろいろな方が推薦、もしくは公募される方もいらっしゃいますので、その中からという形になりますので、今回は推薦で1名が上がってきたという形になってございます。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) あと、もう一つは農地利用最適化推進委員ですけれども、今、農業委員会会長のほうからお話がありました。これから、29名の中から28名ということですけれども、要は現在の農業委員が推薦といいますか、その方々が任命するということでよろしいのですね。 ○議長(小原雅道君) 伊藤農業委員会会長。 ◎農業委員会会長(伊藤繁弘君) 6月の農業委員会の総会で、委嘱という形で決定する予定でございます。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) わかりました。 それでは、スポーツ振興のほうに移らせていただきます。 今、生涯スポーツについて、るるお話がありまして、数値的に見れば結構な参加人数なのかなとは思います。実際、参加する、しないは個人の問題ですけれども、やはり参加したくなるような、特にも中高年、私も立派な中高年でして、40代ごろまでは各種のスポーツに行きませんかと誘われたわけです。だんだん誘われる回数が少なくなる。60歳になりまして、ますます少なくなったわけですけれども、かといって、失礼な話ですけれども、ゲートボールとかグラウンド・ゴルフに誘われても、それにはまだ早いかなというふうに思われるわけです。 できれば競技スポーツのように、体幹を鍛えるとかも大切なのでしょうけれども、軽い気持ちでの、例えばシニアの野球大会とか、シニアのサッカー大会とか、そういうハードではなくて皆さんで競技を楽しめるスポーツがあれば参加する人もふえていくのかなという気がしますけれども、そういうことについては何か考えられないでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 市川生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(市川清志君) 御指摘のとおり、教室等はたくさんありまして紹介しているのですけれども、参加者がどんどんふえているかというとなかなか、そういうわけではなくて、広報活動等も実施しようかとは思っているのですが、たまたまきのうテレビで研究発表されていたのがあったのですが、スポーツだけをやっていてもだめなのだそうです。仲間づくりというか、人とのつながりがないと健康で長生きできないというのがあるそうなので、そういうやはり仲間づくりが大切かなと思いますし、どんどん誘い合えるような環境があればいいかなとは思っておりますので、そのあたりも含めて広報活動を考えていきたいと思っております。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) あと1つ、生涯スポーツということですけれども、スポーツに親しむきっかけをつくるということで、合併前の旧石鳥谷町では実施しておりましたチャレンジデーというのがあります。これは、同じ日に15分間連続して競技をしたといいますか、スポーツをした人の人数を他の自治体と競い合うという日なのですけれども、北上市とか、ほかの県内の市町村でも実施しているところがありますけれども、そういうことも取り入れれば、最初の入り口になるのかと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 市川生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(市川清志君) 現在、チャレンジデーは当市でやってはおりませんけれども、確かにそれでスポーツに参加するきっかけづくりになろうかとも思いますし、なくなった経緯も検討しなければいけないですけれども、体育協会等とも相談して考えていきたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 鎌田幸也君。 ◆22番(鎌田幸也君) お願いをいたします。 最後になりますけれども、中学校の部活動についてお伺いをいたします。 休養日について実施できなかったというような学校もあるようでございます。過日の議員からの質問にも、平日週1日の休養日を完全実施や、おおむね実施しているとの答弁があり、できなかったという学校もあるようでございます。花巻市のガイドラインだと平日1日、それから休日にも1日で、週に2日との考えでいるのですけれども、それでよろしいのでしょうか。それができなかったという理由は何なのでしょうか。その点についてもお聞きをしたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 布臺教育部長。 ◎教育委員会教育部長(布臺一郎君) 当市における部活動の休養日の設定につきましては、第2、第4日曜日、それから週1回平日というふうになっております。これがなかなか実施できないというのは、申し合わせをして、この目標に行くように各学校努力はしておるのですけれども、競技によってやはり第2、第4日曜日に大会が開催されてしまうというケースがありますので、そういった場合に極力代替の休日をとるようにはしておりますけれども、競技日の設定によっては、まだ達成されていないという実情がございます。 ただ、この解消に向けて、昨年多忙化解消会議、これまでですと年に2回だったのですが、昨年度は3回開きまして、多忙化解消に向けて具体的な取り組みを決めております。その中で、必ず学校で実施するもの、5項目あるのですけれども、部活動休養日の徹底については5項目の一番上に挙げておりますので、今年度はこれをさらに徹底を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 以上で鎌田幸也君の質問を終わります。 ここで11時15分まで休憩いたします。     午前11時 2分  休憩     午前11時15分  再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、近村晴男君。(拍手)    (近村晴男君登壇) ◆20番(近村晴男君) 20番、花巻クラブの近村晴男君でございます。 通告に基づき、順次質問をさせていただきます。 市長も議員も住民の直接選挙で選ばれる代表機関であります。この二元代表制により両機関は対等の地位をもって対立し、住民の意思を的確に反映しているか、いないかなど、住民の幸せと福祉の向上のため議論をするわけですが、一般的に両者の関係はチェック・アンド・バランスの原則のもと、相互に行き過ぎを抑え、足らざるを補うものとも言われます。 政治は1つの目だけで行えば独裁、独善に走って、最終的には住民に苦しみを与えてしまうとの歴史の教訓から、2つの目で見ることによって互いに意見の相違を見出し、よい意味での対立があり、常に緊張感を持って臨むべきものとの考えから、二元代表制がとられているものだと思います。 このような両者の関係にあって、議員は住民の信託に応え、いつでも質問し得る体制にあることはもちろんですが、定例会ごとに行う一般質問は住民を代表する議員固有の権限として、行政全般にかかわる問題や住民との対話の中から浮かぶ課題や地域づくりに関することなど、さまざまな観点から自由に自己の所信を述べながら、当局をただすものであります。このことから、今回は二元代表制の本旨に照らし、互いの立場と考えを尊重し合いながら、花巻市の未来と市民福祉の向上につなげられる質問をさせていただきます。 1件目は市長の答弁姿勢についての考え方でありますが、さきの一般質問に対する私への答弁の中から3点ほど例を挙げながら質問させていただきます。 3月定例会において、私は、旧新興製作所の建物の解体によって生じたコンクリート殻が現地に積まれたままの状態にあるが、観光のまち花巻市としてのイメージダウンが懸念されることから、一日も早く関係者に処理させる手だてを講ずるべきではないのかとの趣旨での質問を行いました。私は一般質問の通告書を議長に提出する際、この場に登壇して発言する原稿も同時にお渡ししていたことから、コンクリート殻を市で処理するべきであるとの質問でないことは理解されているものと思っていました。私はあの時点で、市長と同じく市がコンクリート殻の処理をするべきではないと考えていましたし、市の担当者が、市民感情もあり、何とかしたいとの思いで県や関係者と話し合われていることも理解しているつもりでいました。 この問題を取り上げたのは、以前、湯本地区の議会報告会において、長年100本以上のドラム缶が処理されずにそのまま残っているが、環境汚染が心配で何度も市に対応をお願いしても、そのままの状態にあるとの質問を受けました。私どもは地元の方から詳しく内容を伺い、地域の声を当局に伝えるとともに、私も含め2人の議員がこの問題を議会で取り上げたわけですが、その後県が対応され、ドラム缶は全て処理されたという経緯があります。この経験から、私は市では議会側からも強く求められているということにでもなれば、県の対応も幾分違ってくるのかもとの思いで、以前、同僚議員が質問した風塵とか、アスベストとか、文化財的価値とかの問題とは別の観点から質問したものでした。 それが「コンクリート殻の処理には市の試算では、1億5,000万円ほどの経費がかかる。このお金があれば国からの交付金や合併特例債、過疎債などを活用すれば10億円もの事業を行うことができる。さらに同様の質問を議員から何度もされるが、市民の大事なお金を使うべきだと思っておられるのであるならば質問していただきたい。大事なお金を簡単に使うべきではないというのであるならば、現状が変わらない限り、この議論は今回でおしまいにしていただきたい」と、市長答弁としては極めて異例のものでした。 旧新興製作所跡地のコンクリート殻については、2月に開催した議会報告会の2つの会場でも質問があったように、市民の関心は高いのです。なのに、強いトーンで「この議論は今回でおしまいとしていただきたい」との後で、「というのが私の願いである」、さらに、「発言は議員各自がお考えのことであり、私がそれについて言える立場ではありませんが」とフォローされていますので、御自身の発言に問題はないと考えておられるのかもしれません。ただし、多くの議員が「そうだね」と市長の思いを忖度されて質問を遠慮したならば、議会そのものの存在が問われます。前段で述べられた発言は、受け取りようによっては議員の発言を封じ込めかねない表現ではなかったのかなと私は思いますが、市長の御見解を賜りたいと思います。 また、「市民が不安を抱くのは仕方のないことではないでしょうか」との指摘に対しては、「風塵やアスベストは不安な状況にはない」との説明で理解できているのに、さきの議会で別の議員に行った答弁を私にも必要とされるのであるならば、ごく簡潔でよいものを繰り返し話されたことに違和感を覚えましたし、再質問の時間もかなり失われてしまいました。より丁寧な説明をという市長の思いはわかりますが、市長の答弁については、私の希望が入りますが、市の方針なり方向性なり、考え方などを可能な限り簡潔明瞭に示していただき、細かな部分は部下に任せ、議員からの再質問を受け、議論を深め合うことが市政にとってはよきことと思いますが、市長の御見解を賜りたいと思います。 さて、市長から私の過去の判断に関する発言がありました。 市長に就任したころのこと。花巻城の城跡で、それもかつてない広さの面積を新興製作所のほうから市に有償で譲渡したいとの申し入れがあった際、譲渡額は安くても、その後の建物の解体や整地に多額の経費が見込まれ、整備計画もないことから市では断りました。花巻城の城跡に関心を寄せる市民の間からは、市長の判断に異議を唱える方々もあらわれ、その活動はマスコミにも取り上げられました。私や何人かの議員も集会に参加したわけですが、市民の多くや大部分の議員も取得するのには反対という中で、近村議員はそうではなく、他の少数の議員もそうであった旨の発言が市長からありました。当時の流れから、私が市長の判断に反対の立場にあるとされたことは理解できないでもありません。しかし、花巻市議会では、市が有償での譲渡を受ける、受けないについて議題とはなっていません。 私が前段で二元代表制について触れさせていただいたのは、そもそも二元代表制というものは、考えに違いがあってしかるべきものであり、互いの考えなり意見なりを尊重し合いながら議論をし、最終的に決定していく。これが民主主義の姿だと思います。しかるに、当時誰それ議員はどうであった旨の発言は、不適切な表現ではなかったのかなと私は思いますが、市長の御見解を賜りたいと思います。 2件目は、花巻城跡についてであります。市のまちづくりに携わる私たちは、次代を担う方々に少しでもよい形で花巻市というものをバトンタッチする責務があると思います。現在、旧新興製作所の建物の解体で生じたコンクリート殻が積まれたままの状態にあるわけですが、今後、県当局が花巻市の立場を推しはかり、手続を踏んで処分に踏み切ることは全くなきにしもあらずとは思いますが、市長も話されるように、県の置かれている厳しい財政状況から判断して、これは極めて難しいものと考えます。さりとて地形的にも、文化財価値からも、建築基準法の関係からも構造物を建てるのには大きな制約があることを考えれば、当該地が何年も放置されっ放しの状態が続くという最悪の事態を招くおそれも想定されることから、将来的には市が動かざるを得ないとの声が出てくる可能性も否定できないものと思います。花巻城があって花巻という町が存在してきたという歴史をおもんみれば、お金の面だけでははかれない、花巻市民としての誇りや魂というものも含めた議論も必要ではないでしょうか。 予期せぬ大規模災害の復旧工事など、緊急を要する場合や市の将来を左右する案件に対して、機会を逃すことなく迅速に対応することや、公共施設の整備や維持管理のためなどにまちづくり基金は積まれているものと思います。花巻城は伊達藩の備えとして築かれ、すぐれた城代や藩士が置かれ、その城下町として栄えてきた花巻市にとって、城跡は欠くことのできない重要な歴史的遺産だと思います。仮に、花巻城全体の面積からすれば、城跡の一部であったとしても、少しでも負担が少なく、市民の手に取り戻せるチャンスが訪れた場合には、まちづくり基金を活用して取得するべきものと思いますが、市長の御所見を賜りたいと思います。 また、そう遠くない将来、北上山地の南部に国際リニアコライダーが整備されることを考えれば、多くの研究者や関係者が「花巻というまちは歴史のあるまちだから」と本市を選び、住んでいただけるような街にしていくことも重要な課題ではないでしょうか。このような観点からも、花巻城の城跡は花巻のイメージを高めてくれる歴史的な遺産とも言えるものと思います。市では今後、花巻城の城跡で整備できるような箇所を取得できるという可能性も想定して、例えば仮称花巻城・花の城跡公園として、市民や観光客などにも親しんでもらえるような公園に整備していくという構想を描いておくべきものと思いますが、市長の御所見を賜りたいと思います。 3件目は、大迫地区の商店街の振興についてであります。 合併したことによって、旧3町の中心部が廃れてしまうとの声が聞こえたりもすることから、これまでも何度か角度を変えながら、旧3町の中心部、特に大迫地区の商店街の振興についての質問を行ってまいりました。今回は上田市長のこれまでのさまざまな御答弁に対する私なりの受けとめ方や考え方を述べさせていただき、質問させていただきます。 昨年は大迫のまちが今の場所に築かれて400年という年でもあったことから、市の支援もあって一大イベントが開催され、大迫の商店街は大変なにぎわいを見せてくれました。また、昨年に続き開催された日本ワインフェスティバルは天候にも恵まれ、多くの来場者でにぎわい、ワイン産地としての花巻、大迫の名を広く内外に知らしめるという初期の目的を達成できたのではなかろうかと思います。それでもなお大迫地区の商店街が往時のにぎわいを取り戻す姿を描くことは難しく、今後も商店街として存続していけるのだろうかと心配になります。 私は、大迫の商店街が存続していくために学ぶべきまちは、大分県豊後高田市の昭和の町だろうと思っています。以前にも述べたと思いますが、豊後高田市では商店を支える銀行までもが郊外に出るなど、衰退著しい現状に、一部の商店主が「商店街が一番にぎやかであった昭和30年代のころに戻りたい」と豊後高田市長に相談したところ、永松市長は「やる気のある商店からやってみよう」と話されたと言われます。その後、永松市長は町並み景観統一整備事業として、県の地域商業魅力アップ総合支援事業を導入します。昭和30年代当時の雰囲気の建物に戻す建築再生、店に伝わる珍しいものを展示する歴史再生、店の商品を開発して販売する商品再生、そしてユニークとも思えるお客様と向き合い会話しながらものを売る商人再生の4つの条件を出し、豊後高田商工会議所が事業主体となり、県と市の補助が3分の1ずつ、地元負担となる個人の負担が3分の1で、昭和の町の再生に向けた事業が平成13年、今から17年前から始まったのです。 中山道の妻籠宿や飛騨高山の上三之町や秋田県の角館など、伝統的建造物が連なる町並みであるならば、観光客を呼び込むだけの魅力があるわけですが、昭和の時代を彷彿させる商店が10店ほど点在している程度では、観光客を呼び込めるはずもありません。事業を始めた1年目は商店街に客足が戻ることもなく、期待した観光客が来ることもなく、昭和30年代にタイムスリップするまちづくりに対して懐疑的だった商店主たちからは「ほら見たことか」と陰口をたたかれたそうです。 市では「これだけ支援したのだから、後は皆さんの努力次第です」というのが一般的ですが、豊後高田市の場合は違っていました。昭和のまちづくりをスタートさせた年の8月、福岡県の博多に日本一の昭和グッズコレクターがおられることを知っていた永松市長は、その方を招いて日本一の駄菓子屋のおもちゃコレクションを語る講演会を開催したのです。永松市長の頭の中には、何としてもそのコレクターの小宮裕宣氏を豊後高田市に招き入れたいとの熱い思いがあって、商工会議所は商店主たちと小宮氏との懇談の場を設けたり、その方々に人材誘致的活動もさせたと言われます。その熱意にほだされた小宮氏は、20万点ともされる昭和のグッズコレクションとともに、豊後高田市への移住を決意されたのです。 豊後高田市では、同時進行で中心商店街に近い場所に建つ農協の米倉だった倉庫を購入し、1棟を昭和ロマン蔵として改修し、平成14年10月に小宮氏を館長に迎え、昭和のコレクション5万点を昭和ロマン蔵の中に展示し、駄菓子屋の夢博物館としてオープンさせます。豊後高田市で現在使用中の男の子と女の子の童画が昭和の町のシンボルマークにふさわしいとして、作者の許可をいただきに長崎市にある作家の黒田氏宅を尋ねたそうですが、その方は既にお亡くなりになっていて、御子息の方がその童画の使用について快諾してくださったとのこと。さらに、「日本昔話」の絵本の中でも特に有名な原画が多数残されていて、その原画や遺品もいただくことができたというのです。この予期せぬ出来事に豊後高田市では、故黒田画伯と御遺族の方々の恩に報いるため、平成17年2月に昭和の絵本美術館を昭和ロマン蔵の中に設けたのです。 昭和ロマン蔵の誕生と昭和の町再生への取り組みは、テレビや新聞、雑誌などで取り上げられ、また、豊後高田商工会議所では大手旅行代理店の福岡支店に出向き、バス1台でもいいからと観光バスの誘致を取り決めます。この活動の成果もあって、連日何台ものバスに乗って観光客が豊後高田市を訪れ、店構えを昭和の時代に戻す商店も続き、商店街を案内するボランティアもあらわれ、昭和の香り漂う町並みは昔以上の活気を取り戻したのです。 豊後高田市ではさらに南蔵を改修して、平成18年2月にレストラン南蔵をオープンさせ、平成19年4月には北蔵を改修して、昭和の夢町三丁目館をオープンさせるなど、昭和の町探訪の起点となる各施設の整備を進めていきます。商工会議所が担っていた管理運営は、設立したまちづくり会社に移管し、ボランティアガイドも養成し、一過性のブームでは終わらせぬようにと、尋ねてくる方々を満足させるソフト面での仕掛けを継続できる体制も敷き、昭和の町は力強く息づいているようです。しかし、不思議なことに豊後高田市では、スタート時点から商店街全体の景観に対する意思統一は求めていません。恐らく、最も時間を要する課題は避けて、どこよりも早く昭和の町を打ち出すことにこそ、真の狙いがあったものと思いますし、永松市長には豊後高田商店街の再生に向けたビジョンが既にひらめいていたものと思います。 さて、大迫の商店街を、仮に宿場の雰囲気を醸し出す街にしていきたいとの声が出てきた場合、さきの市長答弁によれば、地域住民の意思統一が必要で、景観条例とか住民間の協定も結ばれ、自分の好きなように建てることも、自由に改装することもできなくなるという身を切る覚悟はあるのかが支援の条件になるものと理解いたしました。また、古い建物を活用したいとソフト面での提案があれば、真摯に向き合い、一緒に考えてまいりたいとのありがたい御答弁もありました。しかし、それだけで多くの観光客を大迫の商店街に招き入れるのには無理があるということは、上田市長が一番よく知っておられるのではないでしょうか。 特にも箱物について造詣の深い上田市長でありますので、以前、大迫の祭り団体があんどん山車会館の建設を要望した際には、箱物で人を呼び込むことは無理であると話されたと伺っています。また、さきの私の質問に対する答弁でも「箱物をつくれば、それで商店街が活性化するとの幻想は持たないでいただきたい。我々自身、観光客の目線で見ればわかると思うが、よほど魅力のあるものでなければ観光客を呼び込むことは困難である」との指摘については、私も全くわからないわけではありません。市長の言われる箱物を食堂に例えれば、おいしいことが一番大事なわけですが、展示館であれば展示の中身が一番大事ということになります。 以前、大迫の商店街の一角でエーデルワイス・コレクションを展示公開されたときの見学者数の実績から、エーデルワイス展示館には多くの観光客を呼び込むことは期待できないとのことでありました。あのときは展示の目的が、このような資料がありますよということを知らせることが狙いだったのでしょうから、手元にある資料の一部を単に並べて見せた程度の展示だったのではないでしょうか。本格的な展示というものは、確かな目的や意図があって、工夫や仕掛けがあって、市長が話されるように魅力があって、そして見る者を理解させ、感動させ、人づくりにもつなげていくものだと私は思っています。 大迫地域中心市街地顔づくり委員会では、市に対してエーデルワイス・コレクション展示館は、大迫の商店街の活性化には必要であると報告しているわけですが、商工関係者等で組織されている方々に対して、行政が望むべきものはそれで十分ではないでしょうか。それがさらに、展示施設の建設場所も含めた展示構想や展示施設の管理運営を誰がするのかなどについても、顔づくり委員会において一定の方向性を示していただきたいとの要請は、極めてハードルが高いものだと思いますし、そのことが何年たっても事が前に進まない要因の一つではないでしょうか。 一般的な考え方として、私は建物の必要性について、地域の方々も望まれているということを行政が確認できたならば、次に行うべきことは、それぞれの資料の持つ価値の認識や価値の生かし方を探ることではないでしょうか。これは市長が言うところのみんなでではなく、まず坂倉登喜子さんとかかわりのある方や、花の専門家や展示や建物の専門家に任せ、その考え方を行政が真摯に受けとめ動き出すという、隗より始めるべきものだと思います。 岩手県交通、大迫バスターミナルが将来廃止ということにでもなれば、バスターミナルの建物の解体も十分に考えられるわけですが、その場合には市としても検討していきたいとのことでしたので、ひとまず安心をいたしましたが、商店街の真ん中に大きな空間が出現するということを考えれば、その跡地対策次第では、大迫の商店街は加速度的に衰退の一途をたどることにもなりかねません。 1月に大迫の商店街の活性化の相談も含めて、中小企業庁の担当課長にお会いしてきましたが、雰囲気のある町並みがあって、あんどん祭りやひな祭りなど、これだけのものがそろっていながら、なぜ動き出せないのかなと首をかしげられました。中でも坂倉登喜子さんに関しては、ストーリー性もありすばらしいと興味を示され、専門家を入れて動き出すまちづくり計画を策定する国の支援制度もあるが、活用してみてはどうかとアドバイスをいただきました。大迫の商店街が厳しい状況を迎えつつあるとき、同じような状況にあった豊後高田市では、一大転換期と捉え、民間と行政とが一体となって動き出すという取り組みが功を奏したように、2期目を迎えている聡明な上田市長だからこそ、長年かけても前に進めなかった原因を取り除き、前に向う方策を講ずるべきではないでしょうか。 これは市内、どの商店街に対しても言えることではありますが、大迫の商店街に恒常的に観光客を呼び込むことは無理であると決めつけるのではなく、どのようにしたならば大迫の商店街に、恒常的に観光客を呼び込むことができるのかという考え方に立つことはできないものでしょうか。また、総合支所の職員が加わっているからとはいっても、町の顔づくり委員会にあれもこれもと任せるのはいかがなものでしょうか。 さまざまな価値を持つものがそろう大迫の商店街の振興策を練るためには、中小企業庁の担当課長も指摘しているように、専門の方々の知識や知恵が欠かせないものだと思います。エーデルワイス展示館や、あんどん山車会館やひなのお部屋など、今後の大迫の商店街のまちづくりに欠かせない各施設の展示や設計にかかわる専門家や、まちづくり全体にかかわる専門家で構成する専門委員会を立ち上げるという考えはいかがでしょうか。そして、豊後高田市の昭和の町を成功に導いたまちづくり手法なども参考に、国や県の補助制度の導入や過疎債の充当なども視野に入れ、大迫の商店街を活性化させる方策を専門委員会に練らせ、顔づくり委員会で検討させるという2段階方式で臨まれてはいかがかと思いますが、市長の御見解を賜りたいと思います。 以上、登壇しての質問させていただきます。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 23分にわたっていろいろな見解いただきましたけれども、まず、1件目についての平成30年3月定例会における近村議員への答弁に関連して、私の答弁姿勢についてのお尋ねでございます。 市においては、二元代表制のもと市長と議会は対等な立場でありますし、質問及び答弁は花巻市議会会議規則に基づくルールに基づき行われるわけですから、市長が議会における議員の発言を封じることはできないわけでありまして、私の平成30年3月定例会での答弁においても、議員の発言を封じ込める意図は毛頭なかったところであります。平成30年3月定例会における議員の新興製作所跡地に関する御質問に対する私の答弁の最後の部分において「どのような質問をするかについては議員各自がお考えのことですから、私がそれについて言える立場にございません」と申し上げたのは、そのことを念のため明確にしたわけでございます。 花巻市議会会議規則第61条1項は「議員が市の一般事務について質問することができる」と定め、これに基づき一般質問がされていることは申し上げるまでもないところであります。花巻市議会会議規則第61条1項は、市議会議長会が制定した標準市議会会議規則第62条1項の規定と全く同一文ですので、標準市議会会議規則第62条1項に準拠した規定と考えられるわけでありますが、全国市議会議長会の法制参事は、一般質問に関するこの規定について「議員が、市の行財政事務全般等について、特定の議案と関係なく長等の執行機関に対し、口頭により見解をただすこと」であると理解して説明しております。このことからも、一般質問はあくまで市長等、市の見解をただすために行われていることは明確であると理解しているわけでございますが、質問をいただき、見解を申し述べさせていただく立場からすると、状況の変化がない状態において、同様の質問をされても同じ趣旨の答弁にならざるを得ない、そのようなことになります。 本年3月以前にも、新興製作所跡地の景観から受ける市のマイナスイメージについては既に議会で答弁されており、例えば平成29年9月定例会一般質問において、阿部一男議員の同趣旨の質問について述べたところであり、また平成29年12月定例会において、高橋浩議員の同様の趣旨の質問に対しても、同様の趣旨でお答えしたところであります。 新興製作所跡地については、その後大きな進展は見られず、所有者がコンクリート殻の処分をしていない状況、しかも所有者にコンクリート殻を処分する財政的な能力があるか、意思があるかということについては疑問であるということを明確に申し上げている状況において、また開発についても進展が見られない状況、逆に所有者が新興製作所跡地に複数の債権者から差し押さえを受けている、競売の申し立ても受けている。このことを申し上げている状況のもとにおいて、平成30年3月定例会においても、所有者がコンクリート殻を処分することは到底不可能であるという前提において、同様の趣旨の答弁をしたところであります。これについては明確に議事録を確認していただきたいと思いますけれども、申し述べているところでございます。市の取得してということだけでは申し上げているわけではないということを、まず申し上げたい。 議員個々人の御意見は、同僚議員と異なることもあることは当然のことであります。その意味で、同僚議員の同様の趣旨に私どもが答弁したとしても、別の切り口で質問したいということは、私どもも理解していることであります。その意味で、近村議員の平成30年3月定例会での、従前の議会でのほかの議員と同様の質問をいただき、私どもの見解を述べたことについて、再度同趣旨の御質問をいただいたことについては、誠実に答弁させていただいたところであり、その点についての私どもの見解は、それまで以上に明確にしたいとの考えから、近村議員のほかの質問に対する答弁を、質問答弁時間の制約の関係で短くしてまで、丁寧に、特に丁寧に述べたところであり、この問題についてそれ以上補足して答えることはできないという内容であったと、私どもは感じているところでございます。 英語の表現でleave it behind usという表現があります。同じことを繰り返しても問題の解決に結びつかない。そのようなことについてはその課題をひとまず置いておいて、ほかの生産的な問題を話し合おうではないか、そういう呼びかけがございます。私も呼びかけをしたということでありまして、議員の発言を制約しようという意図は全くございません。そのことを申し上げておきたいと思います。 先ほども申し上げましたが、一般質問は議員各自の御判断に基づき、花巻市議会会議規則などのルールにのっとり、していただくものであり、私ども先ほど申し上げたように、これ以上この問題についてはつけ加えることはないと感じていたところでございます。 また、近村議員は新興製作所跡地について、市が有償での譲渡を受ける、受けないとのそういう議題ではないのに、誰それ議員が受けないことに反対であった旨の発言については、不適切な発言ではなかったかとのお考えと理解しております。平成30年3月定例会の一般質問の再質問において、近村議員は「固定資産税が払われていないような気もするのです。それが今塩漬けですから、そういう苦しさが出てくると、もしかすると違う動きが出てくる可能性もあるのではないかということで質問いたしましたけれども、そういう場合、市としてやはりどうしても避けられない立場にあると思うのです。これは動いていくものですので、そのときに花巻市の歴史的なものについて、市民の理解はどうなのかという部分は、私は当然その中で話し合うべきものではないかということで質問いたしましたが、その件について、もし御見解があればいただきたいと思います」と発言をされ、私どもの見解を求められております。 近村議員の新興製作所跡地に関する3月定例会における一般質問の文書通告は「新興製作所跡地におけるコンクリート殻の早期処分に向けた対応について伺う」というものであったわけですが、そのことと「固定資産税が払われていないような気がする」、「もしかすると違う動きが出てくる可能性がある」ということと、どういう関係があるかについては明確に捉えられなかったところであります。と申しますのも、近村議員は再質問の最後に「花巻の歴史的なものについて市民の理解はどうなのか」とも述べられておりますが、これはコンクリート殻の景観が花巻のイメージを損なっている現状のみならず、新興製作所跡地をどうするかという、もっと大きな問題について話しているように聞こえたところであります。 というのは、新興製作所跡地については、議会で既に再三申し上げておりますが、同跡地の所有者の複数の債権者が、固定資産税とは桁違いの金額の債権の未払いを申し立てて差し押さえをしている状況であり、そもそも同所有者が多額の費用を要するコンクリート殻を処分する財政的な能力があるか疑問であること。我々の情報では、ないというように見えるわけでございますが、そのことは先ほど来お話ししていますが、繰り返し答弁でも述べていますが、同所有者が固定資産税を支払っているかどうかということと、コンクリート殻の処分ができるかということは、直接的には関係がないからでございます。このことは明確だと思います。 そこで、固定資産税が払われていないということがどのような意味があるかということについて、私どもは質問通告ではございませんでしたので、その一瞬で一生懸命考えたわけでございますが、私どもとしては思い当たることは、一部の市民の方々の間で、固定資産税が払われていないということで、市が新興製作所跡地の滞納処分を行い、その手続の中で、市が新興製作所跡地の土地を廉価で取得をすることができるのではないかという意見があったということであります。近村議員は、あるいはこのような市民の意見も考慮されたのではないかと思った。数十秒の間ですけれども、そのように考えた次第でございます。 また、近村議員と同会派の議員が平成28年12月定例会一般質問で、新興製作所跡地について現所有者が所有のままだと、上部平坦地が解体されることを危惧しての御発言ではないかと思いますが、そのような中で、「後世に長く残すため、極力原形をとどめまして、復元して保存すべき」と発言されておられますし、平成29年12月定例会一般質問においては「新興製作所跡地の、その場合は跡地とそれから上部平坦地、あるいは下部平坦地の一部、そういうことの取得に向けて、ある意味取得できるチャンスということだと思いますので、ぜひ市が参入できること、あるいは強いかかわり合いを持つことを期待したいと思います」と発言されておられます。近村議員の発言は、このような発言の延長上にあるのではないかと思った次第であります。 いずれ近村議員の再質問については、あるいは我々が言葉から受け取ったものとは違う意味があったかもしれません。しかしながら、私どもはおっしゃられた言葉から、本当に短時間、事前通告のない事項でございましたので、短時間で判断しまして、正確に理解しようと努め、その中で見解を述べてほしいということでございましたので、近村議員は、コンクリート殻除去のみならず、固定資産税の未納を理由として市が新興製作所跡地を取得する可能性も視野に入れて再質問されたのではないかと理解したところであり、近村議員の「御見解があればいただきたい」との再質問のお言葉から、私どもの見解を申し上げたところであります。 私どもは新興製作所跡地を取得した場合、市の負担が甚だしく大きくなることについては、これまでも市議会に対し再三再四申し上げているところであり、それについては当初から議員の皆様の大方の御理解をいただいていると理解しています。これは決議したわけではございませんが、議員各自の御意見は議会でも発言はございます。そして、議会以外でも議員の方からそのような見解をお聞きすることが多々あります。その文脈で、実際にそのような発言をされた一部の議員の方々は、取得すべきだということを議会でもお話しされておりますが、大部分の議員は当初から反対であった、そういう状況は変わらないと申し述べ、少なくとも現在の状況で新興製作所跡地の取得は行うべきではない。そして、それについては大方の議員の皆様の御理解を得ているということを明確にしたところであります。 考えてみてください。今の所有者、コンクリート殻を解体できる、あるいは基礎解体できる、相当大きな疑問があります。しかし、近村議員含めて議員の方々、あの上部平坦地、できればあのまま残ってほしいと思っているわけですね。そういう中で、恐ろしいのは解体、開発できる可能性が出てくるということなわけです。1億5,000万円かけてコンクリート殻を撤去したからといって開発できるとは思いません。簡単に、経済的な効果を考えますと10億円以上かかる。あそこの価値は、この前競売したら1億円に満たなくても買える、だけど買う人はいなかった。落札者はいなかった、応札者はいなかったという状況において、簡単に開発できるとは思いません。しかし、きれいにすればするほど開発の可能性はふえます。それによって上部平坦地が解体する可能性も、理論的には一歩進むわけです。それをやる必要があるのですかということです。今の所有者が所有している状況において、それをやるのは正しいのかということです。 これは今回の御質問の対象になっていませんけれども、先ほどおっしゃっていました。次、この新興製作所跡地の話をされましたから、今ちょっとつけ加えます。 一般質問においては、なるべく再質問の時間を確保し、議論を深めたいとの考えは私も同感でありますが、しかし、簡潔明瞭な答弁を急ぐ余り、質問に十分お答えできず、むしろ誤解を与え、誤ったメッセージを発しては本末転倒と考えます。そして、いかに我々として、議員のみならず、この議会をお聞きになっている市民の方々に誤解がないように丁寧に説明しようとしても、実は誤解が生じておるということについては、議員の御質問を聞いている中でも、まさに思うところでございまして、その観点から私どもとしては、今までも丁寧で正確な答弁を心がけているところでありますが、今後もそのように努めていく必要があると考えているところであります。 2件目の花巻城跡の一部を取得できる可能性につきましての質問にお答えします。 先ほど既にお話しました。花巻城跡につきましては歴史的なところでございまして、花巻の歴史の中でも特筆すべき遺跡であり、現在、本丸跡及び二の丸跡の沼の一部は市の史跡として指定して保護しております。しかしながら、花巻城跡につきましては、ことし明治150年、明治維新150年、あるいは戊申150年がそうですけれども、その後廃城に伴い払い下げが進められ、遺跡の過半は民有地となっている。大変残念なところでございますけれども、その実態があって、所有者の意向に委ねられているということが通例であります。 これまで花巻城跡にかかわる開発に伴い、当時の建造物や遺構はその多くが失われてきておりますが、現在残されている遺構等も存在しておりますことから、保存のため市が取得し、管理すべき歴史的な価値が認められるもののうち、保存整備及び維持に巨額な費用を要しない、そして市民の御理解を得られるようなものについては、市の財政を考慮した上で所有者の御理解と御協力をいただきながら、取得について検討することとなります。そのようにしたいと考えて、実際に武徳殿跡地については先般取得したところであります。この後も同じようなことが出てくる可能性は大いにあると考えております。 1点目のまちづくり基金を活用して取得する考えにつきましてのお尋ねでありますが、当該基金であっても市のお金でございますので、まちづくり基金であるから使っていいということにはなりません。本当に必要性が認められるものについての活用が原則となります。土地を取得することが必要であり、その財源としてまちづくり基金が適当と判断できる場合、当該基金を活用する可能性はございます。 次に、2点目の仮称花巻城、先ほどちょっとお話ししたのは聞き落としました、すみません。仮称の公園を整備していく考えにつきましてのお尋ねでありますが、教育委員会では現在花巻城跡の保存を進めるべく、仮称花巻城保存計画の策定を目指し、考古学や城館研究の専門家の御意見を伺いながら、平成28年度から花巻城跡の発掘調査により遺構の内容確認を実施していると伺っております。昨年度までの2年間にわたり、二の丸跡の調査を行い、本年度から本丸跡の調査を予定しておりますが、これまでの調査において一定の成果があらわれておりますことから、花巻城跡の歴史的な性格や価値が今後さらに明らかになることを期待しているところであります。 公園整備につきましては、教育委員会での調査の成果を踏まえながら、花巻城跡調査保存検討委員会等の場で御議論いただくとともに、市民や関係団体の御意見を伺いながら、仮称花巻城保存計画を策定する中で、その可能性を考えたいと考えています。花巻城跡を大事に思っていることについては、私はほかの市民と同様、もしくはそれ以上であるというように考えています。しかし、市民の皆様のお金をお預かりする中で、自分の思いだけでやるわけにはいかないということでございまして、慎重に考えていく必要があるというように思っております。 3件目の大迫地区の商店街の振興についての御質問にお答えいたします。 まちづくりに関しては全国各地に専門家があり、当市も図書館整備、道の駅整備、リノベーションまちづくりなど、まちづくりに関する各種の施策を策定するに当たり、そのような専門家の御助言をいただいており、大変有意義であると考えているところであります。 このようなまちづくりの専門家の御意見をいただくに当たっては、市あるいは住民の側でまちづくりの課題をしっかり認識し、一定の方向についてのしっかりした共通認識を持つことが重要であり、まちづくりの専門家の御助言は、市または住民が共通認識を持つ一定の方向性を実施するに当たっての、専門的な観点からの御助言が特に有効であると考えているところであります。もちろん専門家の御助言においては、市または住民の持つ方向性に関する問題点の指摘がある場合もあり、そのことも貴重な御助言となることがあります。しかし、そのように貴重な御助言となることも、市または住民が方向性について一定の共通認識を持つことが前提となるものであります。そのような意味で、私どもとしてはまちづくりに関する各種施策を策定するに当たり、市内外の専門家の意見を聞いていく必要があると考えております。 全国各地において、まちづくりの専門家の御助言によって各種のプロジェクトが実施されているわけでありますが、その中で成功する事例、予期した効果が発揮しなかった事例、いろいろございます。専門家も万能ではありませんので、専門家の御助言が結果として予期した効果を発揮できなかった事例も数多くあることについては、これは議会でも御指摘されているところでありますし、私もそのとおりだと思います。 予期した効果が発揮できなかった事例の大きな要因としては、市または住民がしっかりした考えを持たないまま、外部の専門家にアイデアの策定の段階から助言を求め、外部の専門家が地域の実情をよく理解しないまま、ほかの地域でよいとされた事例をそのまま当てはめた施策を助言し、それを市または住民がよく考えないで受け入れてしまった例が多くあるところであります。 大迫のまちづくりについても、専門家の御助言が有効である場合があることは大いにあると考えておりまして、市が大迫地域において、地域の皆さんとともに実行しているワインとブドウを中心とした産業の振興と林業の進展などについて今後さらに進めるために、必要な時期において専門家の御助言を得ることは可能性として考えられると感じております。 しかし、共通認識のないまま、専門家の意見を聞けばいいということではないと私は考えております。まちづくりなどについても、国もいろいろな支援制度を準備していると理解しております。補助金を利用すること、結構ですけれども、まず補助金があるからやりたいということではなくて、我々がやるべきことをやりたい。その中で補助金を受けたいということが適切でありますので、補助金ありきということでの事業の進め方は、私はすべきではないということは議会で再三申し上げています。 国の支援の中には、商店街に対するアドバイザーの派遣事業もあります。これについて、実は成功している例もあり、失敗している例もある、国からも聞いております。先ほど申し上げたように、我々が、あるいは住民がしっかりしていないといけない。それがまず大事だと私は思います。しかしながら、商店街など地域団体において、アドバイザーの支援を受けたいということであれば、我々としてもその支援を受けることについて支援したいと考えております。 先ほど、中小企業庁の課長から、本年1月にそのようなことについての御助言をいただいたということの御発言がございました。その御助言いただいたということは、私は今回の議会で初めて聞きました。1月から6月までもう5カ月たっているわけでございまして、議会で御発言いただくのは大変重要でございますけれども、町のためになることであれば、議会を待たずに市のほうにも伝えていただければ検討を早くできるということになりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小原雅道君) 近村晴男君。 ◆20番(近村晴男君) ありがとうございました。時間を少なくさせてしまいまして、恐縮です。 2件目の花巻城の城跡の件ですけれども、そのとおり今教育委員会のほうではさまざまな調査を行っているわけですけれども、時代が変化しつつある中ですので、これまでとは想定できないような形で、今までですと市民の手に取り戻すような状況ではなかったと思うのですけれども、やはりさまざま人の動きが変わってきていますので、もしかすると言い方は悪いかもしれませんが、逆に何とか市のほうでというのも最近城跡だけでなくよく例があります。ですから、そういうことというのは意識しておくべきものかなと私は思っておりました。その中で、突然急に対応できるかとなりますと、常に予算というのは決まっていますので、そうなりますと、まちづくり基金しかないのかなという意味で、実は質問させていただきました。 そのとおり同じ市民のお金ですので、簡単に使えるものではないというのは重々わかっております。これをもし私が発言すると、市長から、いや、通告外だというふうなことを言われそうな気がしますけれども、例えばふるさと納税というのをやりまして、個人の場合は額はそんなに大きくないのですけれども、企業版のふるさと納税を意識されまして、そして仮に取得できるような環境が整ってくるというようなことを想定される場合には、企業と連携を図って、私はむしろそういう外からの力もおかりしながら地域づくりをしていけると、全国を見てみますとそういうふうな今、状況もあるわけです。 花巻市としても、花巻城の跡地となりますと簡単なものではないので、そしてそのとおり予算もつけていません、計画もないものですから。ですから、前回も計画がなかったというのが一番大きかったと思うのです。その中で、ここをどうにかしてくれと言われても、これは市でも困る話でありまして、ですから、そういうものを想定しておくということは、私は花巻市が花巻城という歴史的な遺産を持っているからこそ、そういうものを描いておく必要があるのではないかなという気がいたしますが、その辺について、もし御見解あればお願いいたします。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 一つのアイデアだろうと思います。全く否定するものではありませんし、もしそういう事態になった場合は、そういうことも考えられるということはあり得ると。ただ、現状として言った場合には、数千万円単位であれば花巻市は自分のお金でできます。数億円単位ということだと思うのですね。数億円単位で花巻城の跡地、本丸とかそういうことであればまた違うかもしれませんけれども、跡地の取得について、企業版のふるさと納税で御協力いただけるかということについては、これは相当ハードルが高いというふうに感じます。 ○議長(小原雅道君) 近村晴男君。 ◆20番(近村晴男君) やはりさまざまな方向性といいますか、考え方だと思うのです。ですから、そういう柔軟な考え方を持っていれば、もしかするとさまざまな方々とおつき合いしている中で、市長も何度も東京のほうに行かれていますので、そういう話の場の中から、いや、これだったらうちのほうで何とかしたいという方々もいらっしゃるように思っておりまして、今話させていただきました。 それでは、3件目の大迫の商店街の関係ですけれども、すみません、国の中小企業庁に会派でお邪魔してきました。さまざまなお話をいただきましたけれども、その中で、これは補助金ありきという話ではありません。補助金ありきはその次の段階になると思うのですけれども、そういう、なかなかまちづくりを動かせないというのは全国にたくさんあると。その中で、具体的に動き出せるような、一緒になってまちづくりの歯車を回すようなアドバイザー、専門家を派遣する事業があると。それは国のほうが手当てするわけですけれども、これだけの資料がある町ですので、そういう知恵をおかりしたほうがいいのではないかというようなアドバイスだったのです。 ですから、それは例えばその次の段階で、もしこの制度を利用できるのではないかとか、さまざまな指導もあるわけですけれども、ただ、そのとおり先ほど市長がおっしゃったのもよくわかります。地元の方々がそういうしっかりしたものを描いていなくて、ただお願いすると、全くそのとおりであります。失敗する例はよくありますから。 大迫の場合は、実は何度もさまざまな提案とか構想はしてきていました。結果的に行き着くところは、最後はどのようなお金がどこから生まれてくるかというのは一番大きいわけです。これまでも補助制度の件は余り考えてこなくて描いてきましたから、もしかすると国の方のアドバイスをいただきながら、もし動き出せば、もっと違う形で前に進めるのかなという形での質問でございました。 ですから、ぜひ私たちもこれから地元の総合支所にも行って詳しくお話ししますけれども、それは決して否定するようなものではなくて、一つの考え方でないかなと思っての質問でございました。何とか一緒になって考えていければなと思いますけれども、もし何か御助言等ありましたらお願いしたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 藤田大迫総合支所長。 ◎大迫総合支所長(藤田哲司君) お答え申し上げます。 商店街の相談アドバイザー派遣事業というのがございまして、この事業は商店街からの要請に基づきまして、商店街などに専門家を派遣する。そして、商店街が課題の解決などを進めようという、専門的な相談、アドバイスを行うという制度だと認識してございます。これは全国の商店街組織が実施主体になるということでございまして、年間数回、専門家の持つノウハウを提供して、商店街が抱える課題を解決するためにサポートをいただくというふうに承知しているものでございます。それについてはなお研究をさせていただきます。 ○議長(小原雅道君) 以上で近村晴男君の質問を終わります。 昼食のため、午後1時15分まで休憩いたします。     午後0時14分  休憩     午後1時15分  再開 ○副議長(藤原晶幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、菅原ゆかりさん。(拍手)    (菅原ゆかり君登壇) ◆1番(菅原ゆかり君) 1番、公明党の菅原ゆかりです。 議員活動1期目の最後の一般質問は、高齢者の終活について質問をさせていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。 さて、最近、終活についてさまざまなメディアや本などで取り上げられることが多くなりました。終活といっても就職活動ではありません。人生の終わりに向けて前向きに準備することで、今をよりよく、自分らしく生きていくための活動のことです。数年前に終活ブームが起こって以来、その言葉を耳や目にする機会がふえてきたと思いますが、一口に終活といっても、身の回りの整理、また葬儀やお墓、相続、遺言書など、その内容はさまざまです。言葉は知っていても、実際にはどういったことをすればいいのか、何から取り組めばよいのかわからないという人も少なくないのではないでしょうか。そうした中、長寿国日本においては核家族化が進み、また経済的にも年金生活では厳しい時代、自分の最期に不安を感じている方も多いと思います。そこで、お伺いします。 1点目、終活について本市の取り組みをお伺いします。 2点目、終活の一つの取り組みとして、エンディングノートを作成して配布する考えがないか、お伺いをいたします。 このエンディングノートは、遺言書とは違い法的な効果はありませんが、生前にもしものときを考え、医療であるとか、保険、さまざまな連絡先、葬儀、お墓について意思表示をし、家族や周りの人が慌てないように、自分の思いを伝えるために残す手段です。いつでも書きかえられますし、体裁や書式は任意で、市販されているものから、自治体やNPO法人が無料で配布しているもの、インターネットから無料でダウンロードできるものもあります。 このエンディングノートに対する意識の向上をあらわす例として、平成26年3月の終末期医療に関する意識調査等の検討委員会報告書によると、自身の死が近い場合に受けたい医療や受けたくない医療についての家族との話し合いについて、「全く話し合ったことがない」という方が56%、自分で判断できなくなった場合に備えて、どのような治療を受けたいか、あるいは受けたくないかなどを記載した書面をあらかじめ作成しておくことについては70%が賛成。この賛成のうち、実際に作成している人は3%という調査結果がありました。家族や周囲の人との思いの行き違いを少しでもなくすためには、日常生活の中で言葉を交わして思いを共有することが大事ですが、このノートを活用することで、自分の歩んできた人生を振り返りながら書き残すことも大事なのではないかと思います。 また、今年度、本市では「エンディングノートワークショップ。終活のコツセミナー」の出前講座が開始されると伺いました。今後、有識者の方の協力を仰ぎながら作成し、公共施設などで市民の皆さんの目に触れることも大事になるのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 3点目、市民へリビング・ウィルを啓発することについて、お伺いいたします。 リビング・ウィルは「生前の意思」という意味です。人はそれぞれ自分らしく生き、自分らしい最期を迎えたいという考えを持って生きています。死生観については、元気なうちにオープンな論議をしていくことが重要でありますが、いざというときの延命措置に関する希望など、人生の最終段階において、自身が受けたい医療等についても身近な人やかかりつけ医と十分話し合い、自分の意思を明確に示しておくことが重要です。 昨年、東和地域において、県立東和病院の医師と看護師により地域医療懇談会が開催され、このリビング・ウィルについて説明がありました。自分の意識がないときにどのような医療や延命措置を受けたいのか、自分の意思表示を家族で話し合い、伝えることが大切だというお話でした。そこで、今後このリビング・ウィルについての啓発活動など、本市の取り組みについてお伺いをいたします。 以上、登壇しての私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 菅原ゆかり議員の御質問にお答えします。 高齢者の終活についての1点目、終活についての本市の取り組みについてのお尋ねでありますが、終活とは、急速に進む高齢化によって亡くなる方がふえ続ける中で、人生の最期を迎えるに当たり、最期まで自分らしい人生を送るための準備活動を意味する言葉として、近年広く用いられております。 終活という言葉、私の父親の話をするとちょっと申しわけないのですけれども、80代で亡くなったのですけれども、亡くなる前にお墓の話をしたら、考えたくないというふうなことを言われました。人生の最期を迎えるというのは必ずしも年齢の順番にはいきませんので、そのような時期が来ているかどうかということについて、これは人によって違いますから、なかなかそのようなことを考えられる状況になるかどうかということは個々人によって違いますので、これを薦めるということをやっていくというのは非常に困難な部分もあるのではないかなと思います。私も60代ですけれども、まだまだ終活を考えるには早いという意識もありますし、多分そういう方が多いのではないかなという気はいたします。ただ、その中でも先ほど申し上げましたように、いろいろな可能性があり、家族のためにいろいろ考えるということは、確かに大変重要だなというように思う次第でございます。 市では、これまで終活に関する取り組みは行っていないところではありますけれども、団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年を見据え、高齢者の在宅生活を支える医療と介護の切れ目のない支援に向けて、平成26年度から医療と介護の関係者の顔が見える関係づくりを初めとした在宅医療と介護の連携推進に取り組んでいるところであり、その一環として、平成27年度からは在宅における療養やみとりをテーマとした講演会を開催し、本人や御家族、医療・介護関係者との話し合いの大切さについてお伝えしているところであります。 2点目のエンディングノートを作成して配布する考えについてのお尋ねでありますが、エンディングノートは、どう生きるかとともに、どう最期を迎えるかの人生の記録を書き綴るものであり、人生の最期を見据えながら、自分らしく生きる終活の一つとしてクローズアップされていることについては、議員御指摘のとおりかと存じているところであります。 本年度からふれあい出前講座にエンディングノートワークショップを内容とする市民の方からの講師登録があり、講座メニューとして新規登録され、これまで1回の開催と数件の問い合わせがあるとお聞きしております。 市におきましては、昨年12月に「あなたは人生の最期をどこで過ごしたいですか」と題した講演会の際に、市販のエンディングノート150部を試行的に配布させていただきました。これについても先ほど申し上げましたけれども、まだ自分は早いという方もたくさんいるわけで、なかなか一方的に送付するというわけにはいかないと思いますので、御希望者の方がいた場合に、そういうことで試行的に配布させていただいたということでございますけれども、これについては今後考えていきたいと考える次第でございます。 3点目の市民へリビング・ウィルを啓発することについてのお尋ねでありますが、リビング・ウィルは生前指示書とも言われ、人生の最終段階で意思表示ができなくなったときに備えて、家族や医師などにこうしてほしいという治療の方向性や身辺の整理方法を示しておくものと理解しております。日本においては、遺言書というのは民法で様式が非常に厳格に定められておりますし、また、遺言書について法律で定めること自体以外を書くと、その部分について無効になる、あるいは遺言書自体の効力について疑義が生じてくるという、非常に厳しい法律になっていますから、先ほど議員御指摘のように、遺言書とは別にこのようなリビング・ウィルを作成するということについては、非常に有効な手段ではないかと考える次第です。 人生の最終段階における意思表示をあらかじめしておくことによって、御自分の希望がかなうこととなると同時に、本人が意思表示できなくなる場合が多々あるわけでございますけれども、本人にかわり治療の方向性などの決定を求められる御家族が困らないための有効な手段というように理解するところでございます。 議員御指摘のとおりでございますが、国においては、平成30年3月に改定した人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインにおきまして、本人の意思を基本に人生の最期をどこで過ごし、どのような医療を受けたいかを本人、家族、関係者と共有しておくことの必要性を示しており、大変重要なものだと考える次第です。 人生の終わりだけは万人に必ず訪れるものでございますし、本人が希望する人生の終末期を迎える準備として、事前の意思表示であるリビング・ウィルは重要であると考えておりますが、先ほど来申し上げておりますように、御自身の意思の問題がございますし、大変難しい課題でもあり、現在進めている在宅医療・介護連携推進事業の医療・介護実務者による協議の場において、今後の取り組みについて検討してまいりたいと考える次第でございます。 ○副議長(藤原晶幸君) 菅原ゆかりさん。 ◆1番(菅原ゆかり君) ありがとうございました。 私も一般質問で取り上げたのですけれども、調べれば調べるほど深過ぎて、どういう質問をしたらいいのか、ちょっと考えてまいりました。 まず、エンディングノートですけれども、これは本当に、先ほど言われましたようにリビング・ウィルにもつながると思いますけれども、お電話した花巻市内の仏具店3店舗全てに置いておりまして、希望者の方にお渡ししていますとお話しいただきました。また、名前もエンディングノートということではなく「あなたの大切な家族に思いを残して」ですとか、「大切な人へ伝えたい私のメッセージノート」というような名前で数年前から用意しているそうです。葬儀のときですとか、終活という言葉が取り上げられたときにお電話をいただいて、無料でお渡ししていますというお話も伺ってまいりました。 また、このエンディングノートをよく見てみますと、内容はさまざまですけれども、自分史について小さいときからのことや、いざというときのこと、預金または生命保険などについても書いていますけれども、自分の希望なども詳しく書けるということで、本当に自分の思いをつなげるエンディングノートという形でもいいのではないのかなと思って、お話を伺ってきました。また、最後のほうに資料編ということで、介護保険の利用の手続や認知症の始まりについてですとか、また、葬儀後の故人のお金にかかわること、保険証の返納とか、本当にさまざまな細かいことが書いてありまして、自分が思っていたノートとはちょっと違ったなということで、これはすばらしいものだなと思って、全国の自治体も調べてみました。そこではやはり「私の生き方連絡ノート」ですとか、「思いを紡ぐノート」など、さまざまな内容で取り組みがありました。 私の年代ですと、私自身も考えなくてはいけないなと思います。父も89歳で、間もなく来月90歳になるので、いろいろ話はしています。亡くなった場合に慌てないように、自分の意思を伝えられる状況であればいいのですけれども、今後、認知症になったり、また話すことが困難な状況なども考えられます。そのようなときの手だてになると思うのですけれども、今後、市としては花巻版の「思いを紡ぐノート」のようなことを検討されるお考えはないのか、再度お伺いしたいと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 熊谷健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(熊谷嘉哉君) 議員お話しのとおり、民間の出版社とかで作成している、名前もさまざまなエンディングノートとか終活ノートとか、あるいは市町村によっては独自で作成をしているというお話はお聞きしております。 いずれにせよ、そうした認知症とか、自分の意思が伝えられなくなる前に、いろいろなことを考えておくことは大切であると考えておりますが、現在そういった民間の動きもありますので、当面としてはそうした民間の動きを見るというところで、市独自としていまいま作成を検討しているかということになりますと、現時点ではまだ検討していないところでございます。 ○副議長(藤原晶幸君) 菅原ゆかりさん。 ◆1番(菅原ゆかり君) わかりました。 先日、この出前講座の講師をされている方とお話をさせていただいたのですけれども、定義はないのだけれどもということで、目安として親子の年齢を足して110歳になったら、例えば親が70歳、子供が40歳のときに親子で終活について考えるきっかけになればいいかなというお話もされていました。参考になればと思います。 また、先日、93歳のおひとり暮らしの方のところに行ったとき、この御婦人の方は、カレンダーの裏面とか、または広告の裏面に自分のことを忘れないようにということで、いろいろ書いていたのですね。その方がたまたま近くにあったカレンダーの裏面に書いて、ためておいたのを見たときに、こういうノートがあったならば実はいいのではないかなと思ったことがありまして、今回お話をさせていただいたところでございました。 それでは、次の質問に入ります。 エンディングノートと重なるところもございますけれども、このリビング・ウィルについてですが、私、実は昨年東和町で行われました地域医療懇談会に参加してまいりました。そのときに、「自分は意識がなくなったときに、さてあなたはどういう医療行為を受けたいですか」というお話をされました。自分の意識がなくなったときといっても、その時点ではちょっと考えられないなと思って、自分は「家族に委ねます」というところに丸をつけたのです。たまたま、もう一人50代の方がいらっしゃって、その方も家族に委ねるということでした。また、60代70代の方たちは、参加した方のほとんどが家族が来たらば、あとは長く医療行為がかかるのであれば、私はもうそれ以上延命措置は要らないという方でして、なるほどと思いまして、そういうことを家族で話し合うことが大事だというお話を伺いました。私はその日、帰りましてから、家族にはちゃんとこういうお話を聞いてきて、自分は今の段階では決められないから、そのときは家族でお願いねという話をさせていただきました。 たまたま私の子供の同級生とかにこの話をすることがありまして、私の子供ですので30歳ぐらいなのですけれども、親に何かあったときにやはりそういうノートがあれば見られるので、そういうのがあるといいねというお話も受けましたので、リビング・ウィル、そしてエンディングノートについて質問させていただきました。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 非常に今、考えさせられながら聞かせていただきました。 私の母親の場合には、元気なときに延命治療は絶対したくないということを言っていたのですけれども、最期は意識がなくなる中で、延命治療を数年にわたって、言ってみればおなかから栄養を入れてというようなことをしていました。我々としては生きてほしいという気持ちがあって、どうしてもそうせざるを得なかったのですけれども、確かにそういう意味では大変つらい話だと思います。ただ、リビング・ウィルをお書きになったときはそういう気持ちでお書きになったにしても、本当に意識がなくなる直前にそういうふうな気持ちでいらっしゃるかどうかということについては、なかなか確かめようがない話でございますので、本当にお子さん方がそれに従ってやるのかどうかということについても、実は難しい問題があるのではないのかなと思いつつ聞きました。ただ、そういう意思を残したいという方の場合には、確かに有効な手段にはなるかなと思った次第です。 これについては、先ほど部長からお話ししましたけれども、エンディングノートと一緒に直ちに何かできるということではないかもしれませんけれども、大変重要な課題なので、しっかり考えていきたいと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 以上で菅原ゆかりさんの質問を終わります。 ここで午後1時50分まで休憩いたします。     午後1時37分  休憩     午後1時50分  再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、増子義久君。(拍手)    (増子義久君登壇) ◆2番(増子義久君) 議席番号2番、無所属無会派の増子義久です。 今回は議員2期目としては最後の一般質問の機会になりますので、まず、過去4年間の議員生活を総括し、さらに上田市政の政策課題についても私なりに検証したいと思います。その上で、将来に向けた地方政治家、つまり市長としての理念、あるいは自画像について伺いたいと考えます。4年間をトータルに振り返りたいと思いますので、質問の時間がこれまでより若干長くなることを御理解ください。 さて、私は平成26年の市議2期目の立候補に際し、「いざ、『イーハトーブ』の建国へ」というスローガンを掲げました。当市が将来都市像として、「市民パワーをひとつに歴史と文化で拓く笑顔の花咲く温(あった)か都市(まち)イーハトーブはなまき」を標榜しているのを受け、一議員としてその実現に少しでも寄与したいと考えたからであります。言うまでもなく、イーハトーブとは当市が生んだ宮沢賢治による造語で、童話集「注文の多い料理店」の広告チラシがその出典とされています。厳密を期するため、その部分を読み上げます。 「イーハトーブとは一つの地名である。強いて、その地点を求むるならば、大小クラウスたちの耕していた、野原や、少女アリスが辿った鏡の国と同じ世界の中、テパーンタール砂漠の遥かな北東、イヴン王国の遠い東と考えられる。実にこれは、著者の心象中に、このような情景をもって実在したドリームランドとしての日本岩手県である」と、宮沢賢治はこのように解説をしております。この文中に出てくる大小クラウスは、アンデルセンの「小クラウスと大クラウス」、少女アリスはルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」、テパーンタール砂漠はインドの詩人、タゴールの詩編「旅人の国」と「渡し守」、イヴン王国はトルストイの「イワンのばか」からの引用ではないかと言われています。この文章だけからも賢治の心象世界の無限性が伝わってきます。 私はいわゆるマニフェストではこう訴えました。「東日本大震災、特に福島第一原発事故をきっかけに、『自然との共生』を説いた賢治精神が再び脚光を浴びています。記憶の風化が叫ばれる今こそ、この精神をベースにした賢治の理想郷、『イーハトーブ』の建国を急がなければなりません」このように訴えた上で、次の4つの建国事業の実現を公約に掲げました。①「震災と賢治」に関する常設コーナーの設置や平泉、花巻、遠野、沿岸被災地などを結ぶ「理念型観光」ルートの確立、②羅須地人協会や「下の畑」など、賢治精神の発信基地でもある「花南地区」の時空間の充実、③賢治の生家やゆかりの建物などを生かした、賢治の息遣いが聞こえる中心市街地の活性化、④受難者や弱者へのまなざしという、「雨ニモマケズ」精神の具現化、この4つを建国事業の実現の課題として訴えました。 時あたかも、この年に初当選を果たした上田東一市長は、3月定例会において「賢治のまちづくり」について以下のように述べられました。 「まず、宮沢賢治さんの生誕地であるということを誇りにするということ。それから、賢治さんの精神、いろいろな角度がありますけれども、それを学んでいくこと。それから、賢治さんが雨ニモマケズの中で言っております我慢強さとか忍耐強さを忘れないこと。それから、助けが必要な人に対してごく自然に手を差し伸べる。こういうことが賢治精神の中にあるだろうと思うのです。それを生かして市民の皆様と一緒になってまちづくりを進めていきたいと、そのように考えております」、議事録の中にそのように書かれております。 前置きがいささか長くなりましたが、以下、何点か具体的にお聞きしたいと思います。 ことし3月31日付の岩手日報に「『元気なまち』復活へ」と題する上田市長のインタビュー記事が掲載されています。残念ながら、私が公約で訴えた建国事業に関しては、具体化した施策はほとんど見当たりませんでした。ひとえに私自身の力不足であったと反省をしております。 上田市長はこのインタビューの中で、1期目の総括と2期目に向けた決意について、①人口減少対策、②市街地の再生、③交流人口の拡大、④防災力の強化の4つを重点施策に挙げ、具体的なプロジェクトの推進、継続を約束しております。例えば、総合花巻病院の旧厚生病院跡地への移転整備事業、医療費助成や保育料の負担軽減、子育て世帯への移住支援、総合支所の強化、観光資源を生かしたインバウンド政策の推進、新花巻図書館の整備事業計画など、少子高齢化社会に向けたインフラ整備に積極的に取り組んでいることが強調されていました。 こうしたプロジェクト、特に総合花巻病院の移転整備事業と新図書館建設を推進するために導入されたのが、コンパクトシティ・プラス・ネットワークと呼ばれる立地適正化計画だと考えます。平成30年5月現在で、都市機能誘導区域と居住誘導区域を含む計画を策定した自治体は全国で123市町村にも上っており、当市は全国で3番目の平成28年6月に策定しています。市税の減少を補う財源確保は喫緊の課題であり、有利な国の補助制度を活用するというのは、行政の手法としては当然のことなのだろうと思います。 ところで、上田市長が初めて立候補をした際のマニフェストの冒頭には「花巻に新しい風を!」というスローガンが掲げられていました。風といえば、まず賢治作品が思い当たります。「風の又三郎」や「注文の多い料理店」など、その多くの作品では、風がどうと吹けば、目の前の光景ががらりと変わってしまいます。つまり、風は賢治にとっては変革のシグナルでもありました。さて、上田市長はどんな風を吹かせてくれるのであろうか。これまでになかった何か新しいことを実現してくれるのではないか。市民の大きな関心もこの1点に注がれました。 ところが、1期4年を経過した今、その新しい風、つまり政策における上田色がもうひとつ見えてこないというのが、私を含めた大方の市民の実感ではないかと思います。期待感が過剰に大きかっただけに、その乖離も随分と目立つようになりました。例えば、先ほどの立地適正化計画など国の各種制度に過度に依存することによって、逆に自治体側の自由裁量の範囲が狭められたことが、その原因の一つではないかという指摘もあります。合併特例債やまちづくり基金、財政調整基金などを有効に活用して、上田色を思い切って前面に出した政策を進めることはできないかという声も、あちこちから耳に入るようになりました。 ここでお尋ねします。 2期目の上田市政がスタートした現在、市長は花巻市にどのような新しい風を吹かせようとしているのか。上田色をどう打ち出そうとしているのか、その辺の思いを語っていただければと思います。 さて、上田市長は事あるごとに立地適正化計画が全国で3番目に作成されたことをしきりに喧伝されておられます。その位置づけに特段の異論はありませんし、限られた期限内で計画の策定に当たった現場職員には敬意を表します。ただ、策定の順位争いを聞かされれば聞かされるほど、何かそぞろむなしい気分になってしまいます。なぜなのか。計画の中身を時間をかけてじっくり練り上げるいとまもなく、現場の職員が国からおりてくる膨大な業務にきりきり舞いさせられているのではないかと想像するからです。特に次々に繰り出されるアベノミクス以降、その業務量はますますふえているのではないかと思います。 当市の職員として総務課長の経験もあり、現在、市の教育委員とコミュニティーアドバイザーでもある役重眞喜子さんの論考が雑誌ガバナンス1月号に掲載されております。例えば地方創生のように市町村に策定を求める計画が増加する傾向にあることを踏まえた上で、役重さんは雑誌ガバナンスでこう述べておられます。「こうして職員の膨大な時間と労力が奪われるのだが、もっと深刻な問題はそのメンタリティーの変化である。上ばかり見て住民を見ない。事務をこなすことに汲々とし、地域に出ていくモチベーションが低下する。このままでは『住民力』という自治体職員の最大の武器をみずから失いかねない」として、次のように続けております。「さらに悪いのは、首長自身が国やメディア受けする『パッと見』のよい施策に傾倒する傾向があり、管理職がこれを追認し、若手職員は上の顔色とSNSの『いいね!』の数に一喜一憂。こうなるともはや庁内は『やらされ感』や『ソンタク』という見えないガスが充満し窒息寸前になる。こうならないうちに打つべき手はないだろうか」と役重さんが書いておられますけれども、私自身、こうした職場環境の変化、ある種の風通しの悪さが肝心の計画の中身に微妙に影響を与えているのではないかと思うことがあります。 今、騒いでいますけれども、愛媛県今治市の獣医学部の新設で取り沙汰されている加計ありきではありませんが、例えば総合花巻病院の移転に関しても、病院側からの働きかけというよりは、むしろ市側の事情で行政側が主導した立地適正化計画ありきではなかったかという疑念が病院内からも漏れ聞こえてきます。また、佐々木忍副市長がいみじくも「至難のわざだ」と言った医師確保についても、結局、明確な展望は示されないままに建設工事が着工されました。至難の業というのは、事実上不可能と言っているのと同義語だと私は思います。仏つくって魂入れずということにならないかという懸念の声が開業医の間からも出ております。地域住民に寄り添い、そのニーズがきちんと計画に反映されているのかどうか、計画のための計画になってはいないのかという懸念や疑念だと思います。 さらに、過労死が社会問題化する中、働き方改革関連法案が強行採決されるなど、職場の労働環境への関心が過去にないほど高まりを見せております。当市においても、職場によっては仕事量が膨大にふえるという悪循環に陥り、職員の過重労働や心身の健康面を気遣う声が庁内外からも伝わってくるようになりました。 先ほどの役重さんは現場経験を踏まえた上で、いわゆる一般論として述べられたのだとは思いますが、それにしても随分と手厳しい指摘です。最近、国政の場で、特にいわゆる森友、加計問題をめぐって、行政がゆがめられているのではないかという疑念が大きな社会問題になっております。こうした危機が地方自治体にも及んでいるのではないか。ガバナンス(組織統治、組織能力)が、低下しているのではないかという観点に立ち、役重さんがやむにやまれない気持ちから思い切った提言に及んだのだと推察します。 ちなみに、当市にゆかりのある新渡戸稲造は「武士道」、これは奈良本辰也さんという京都大学の先生の訳ですけれども、の中で忠義についてこう述べております。「己の良心を主君の気まぐれや酔狂、思いつきなどのいけにえにする者、犠牲にする者に対しては、武士道の評価は極めて厳しかった。そのような者は佞臣、すなわち無節操なへつらいをもって主君の機嫌をとる者」ここで主君というのは今は例えば安倍総理なんかも言うんでしょうけれども、「主君の機嫌をとる者、あるいは寵臣、すなわち奴隷のごとき追従の手段を弄して、主君の意を迎えようとする者として軽蔑された」と、花巻市にもゆかりの新渡戸稲造はこう書いているわけですけれども、そんたくということをこれほど的確に言い当てた言葉は、ほかに私は知りません。 役重さんは論考を次のような印象的な話で結んでいます。「私がこれまで最も尊敬した自治体職員、それは学校給食センターの栄養士と調理さんだ。厳しい安全基準を懸命に守りつつ、彼女らは笑って言った。『きょうは地元の野菜とつゆを使ったから、絶対完食よ』そんな日、食缶」これは給食を入れる缶のことですね、多分。「その日、食缶はきっと空で戻ってきた。『残食が多いから、このクラスは来週風邪が流行るわよ』と言えば、必ずそうなった。彼女らには、食缶の向こうにいつも子供たちの顔が見えていたのである」、目の前にその現場の光景が浮かんでくるような気持ちにさせられます。 さて、そんたくという言葉は昨年の流行語大賞に選ばれました。役重さんはこの提言の中で、そんたくとは対極に位置する関係、つまり地域とつながり、住民から顔が見える、住民プロフェッショナルになることの大切さを訴えております。ずばり核心を突く指摘で、私たち地方議員も含めた地方政治家の姿勢が問われているのだと思います。この点について、同じ地方政治家としての立場から、何か市長、御感想があればお聞かせください。 さて、ことし4月10日付の岩手日報の日曜論壇に、当市在住の男性が「横丁の灯 消え寂しさ」というタイトルの原稿を寄せておりました。釜石名物の橋上市場が15年前に撤去され、今度は東日本大震災で被災し、仮設店舗で細々と営業を続けていた「呑ん兵衛横丁」の明かりが消えたことを惜しむ内容でした。 甲子川にかかる橋上市場はイタリア、フィレンツェとここ釜石にしかない珍しい形式で、露天商の救済のために建設されたと言われています。また、呑ん兵衛横丁は、さきの大戦で夫など肉親を失った戦災未亡人の職場を確保するためにつくられ、あの作家の故井上ひさしさんのお母さんも働いていたことでも有名になりました。 寄稿文はこんな文章で結ばれていました。「橋上市場と呑ん兵衛横丁というかけがえのない釜石の遺産、この2つを発案したかつての釜石市長、鈴木東民が生きていれば、この問題をどう捉えたであろうか」とその寄稿文は結ばれていました。また、東日本大震災で現在、東和町に移住している男性も、あるとき「東民さんが生きていたら、この大震災にどう向き合っただろうか。あの人の決断力があったならばな」とふと漏らしたことがありました。 現在、朝日新聞の全国版でルポライターの鎌田慧さんの伝記が、聞き書きですけれども、連載されています。その鎌田さんに「反骨 鈴木東民の生涯」という大著があります。この本によると、釜石に隣接する唐丹村に生まれた鈴木東民は、東京大学を卒業後、一旦、朝日新聞社に入社し、その後、今の電通の特派員となってドイツへ渡りました。帰国後に読売新聞社に入社、外報部長や編集局長を歴任しますけれども、この間、決定的な反ナチ報道が原因で職場も失うことになりました。戦後、読売新聞に復帰し、有名な読売大争議を指導しましたが、今度はGHQによって追放されるという波瀾万丈の人生を送りました。郷里に戻った東民は昭和30年5月、60歳で釜石市長に当選。昭和42年に落選するまで3期12年を務め、市長落選後に立候補した市議選ではトップ当選を果たして周囲をあっと言わせました。市長当時、当時富士製鉄釜石製鉄所(釜鉄)から排出される降下ばいじんは世界一と言われ、東民は盛岡など5市2町1村に呼びかけて、岩手県公害防止対策協議会を結成、その後の全国的な公害反対運動の先駆けをつくったことでも知られています。 著者の鎌田さんは同書の中で、東民が市長落選後、親族に宛てた手紙を紹介しています。こんな内容です。「公害防止のため釜石と戦い、僕は市長選に敗れて釜石を追われたが、僕のかわりに鮭が戻ってきた。公害を阻止したおかげである。民主主義を招来するために戦争に反対し、起訴され、職を奪われ、強制疎開させられ、餓死一歩手前まで追い詰められた僕の一生は弱者の一生だった。現在の社会では正義を守ろうとする者は強者にはなれない」このように書いていたそうです。そして、著者の鎌田さんは東民の一生について「鈴木東民は確かに彼の敵と戦い続けたが、一方で彼は最も自分と戦い続けていたのだった」と後書きに書いております。 もう一人、生命行政を貫き通した沢内村長の故深沢晨雄さんにも触れたいと思います。 上田市長も以前、地元のインタビューに答え、深沢村長を尊敬する地方政治家の1人に挙げていたと記憶しています。鈴木東民が釜石市長として獅子奮迅の働きをしていた昭和35年、深沢村長は国の反対を押し切って65歳以上の医療費無料化を実現し、翌36年には60歳への引き下げと1歳未満の乳児の無料化に踏み切りました。このときの名言が今も語り継がれています。「国民健康保険法には違反するかもしれないが、憲法違反にはなりませんよ。憲法が保障している健康で文化的な生活すらできない国民がたくさんいる。訴えるならそれも結構、最高裁まで争います。本来、国民の生命を守るのは国の責任です。しかし、国がやらないのなら私がやりましょう。国は後からついてきますよ」。 現在、老人医療費は有料になっていますが、深沢村長の予言どおり、昭和44年、秋田県と東京都が無料化し、昭和48年に国が70歳以上を対象に無料化の実施に踏み切りました。沢内村は深沢村長の理念を受け継ぎ、その後も村単独で無料化を続けました。しかし、平成17年に湯田町と合併して西和賀町となった際、およそ45年にわたる老人医療費無料化の歴史に幕を下ろすことになりました。 鈴木東民と深沢晨雄に共通するのは、弱者に寄り添うという姿勢だと思います。私はこの2人を地方政治家の師と仰いで議員生活を送ってきたつもりですが、結局、足下にも及ばなかったという悔恨だけが残っております。 ここでお尋ねします。 上田市長が理想とする地方政治家には、深沢村長以外にどんな方がおられるでしょうか。ぜひお聞かせください。 ところで、先ほど市長も触れていましたけれども、ことしは明治維新150年に当たりますが、私たち東北人にとっては戊辰戦争150年ということになります。新政府軍、いわゆる西軍ですね。西軍側についた秋田、佐竹藩に対し、奥羽越列藩同盟は兵を向けました。いわゆる秋田戦争です。花巻城下からも多くの武士が参戦しました。その意味で、花巻城跡は貴重な歴史遺産でもあります。 城跡の高台には、かつて東公園と呼ばれる市民の憩いの場があり、その一角に花巻のまちづくりに貢献した194人の名前を刻んだ石碑、鶴陰碑が建っていました。その中の1人が上田市長の御先祖に当たる上田弥四郎氏です。儒者としても知られましたが、建築関係にも造詣が深く、造作文士と呼ばれたと記されております。江戸、文化年間の城の大改修工事の陣頭指揮に当たったのが、この上田氏でした。一方、この鶴陰碑を揮毫した小原東離(小原忠太郎)は秋田戦争にも加わった私の曽祖父です。えにしの不思議に驚いたことを覚えております。 さて、この花巻城址(旧新興製作所跡地)の取得をめぐっては、上田市政と私を含む議会側の一部、市長がよく強調します一部の議員ですけれども、議会側の一部とは対する形になりました。先ほどもありましたけれども、上田市長は「利用目的が決まっていない物件に市民の税金を投入するわけにはいかない」と主張、私たちは「由緒ある土地を取得し、将来のまちづくりに有効利用すべきではないか」と反論しましたが、結局、市側は取得を断念することになり、現在に至っております。 国道沿いにある花巻城址には、今コンクリート殻が放置されたままになっています。本来なら、パチンコ店とホームセンターが建設される予定でしたが、土地取得者らのトラブルによって無残な姿をさらし続けているのが実態です。ふと150年前の光景がまぶたに浮かびました。戊辰戦争に敗残した当時の無念が二重写しになったのでした。 上田市長は、第三者の手に移った以上、この問題は市政問題にはなり得ないという見解をとっているようですが、戊辰戦争150年のことし、あの遠い記憶を呼び戻してくれる光景が目の前に現存しているというのは、こんな歴史の皮肉な巡り合わせもあると、私はある種の感動すら覚えます。 午前中の近村議員の質問にも、城跡の一部を取得し、花巻城・城跡公園の整備を要望する内容が含まれていました。戊辰戦争など幾多の苦難をくぐり抜けてきた、かけがえのない歴史遺産の価値をそこに見出しているからだと思います。上田市長は花巻城址のあの無残な姿を見て、どのような思いに駆られるのか、何かありましたらお答えください。 最後になります。 アメリカでの生活が長い上田市長は御存じかもしれませんが、ニューヨーク州北部のオンタリオ湖南岸とカナダにまたがる保留地に6つのインディアン部族で構成される部族国家集団があります。シックス・ネーションズとも呼ばれるイロコイ連邦です。この部族は全ての武器を土に埋め、戦争と武器の放棄を宣言しました。憲法とも言えるイロコイ連邦憲章の中の一説に、「どんなことでも7世代先(セブンズジェネレーション)のことを考えて決めなくてはいけない」とあります。一方、我が郷土の賢治はイーハトーブのことをドリームランド(夢の国)と呼んでいます。 以上、議員2期目の総括と上田市政の検証をるる述べさせていただきました。こうしたことを踏まえた上で、上田市長が花巻の未来に向け、どんな展望と夢を抱いているのか、理想とする政治家像をどのように描いておられるのか、忌憚のないお話をいただければ幸いであります。 登壇質問にしては異例の長さになりましたが、最後まで御清聴ありがとうございました。これで登壇しての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(小原雅道君) 市長の答弁の前に、増子義久君に申し上げます。登壇しての質問をいただいたところでございますが、質問の中にありました尊敬する人物、花巻城址については、増子義久君から出されています通告書の要旨にある政治家としての理念と関連をさせながら、再質問でお願いをいたしたいと思います。 市長にあっては、通告書にあった件名、要旨の範囲内で答弁を願います。 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 増子義久議員の御質問にお答えしたいところでございますが、質問というにしては37分使っていただいて、お答えできないことが大変残念でございます。最初からそういう意図でお話しされたのかなという思いがいっぱいでございます。 そもそも花巻市議会会議規則では、市の一般事務について一般質問できるという規定がございますし、御存じのとおり規則の中では「質問者は、議長の定めた期間内に、議長にその要旨を文書で通告しなければならない」と定めております。これについて全国市議会議長会法制参事は、質問の内容が個人プライバシーや議会の品位を傷つけるようなことがないように、あるいは質問の人数、内容等を把握できるように、あるいは執行機関があらかじめ議長から質問の通告書を受けることにより、十分な答弁準備を行えるようにするためと説明しております。その場合としまして、質問の要旨は具体性がなければならない。市政一般、または例えば土木行政等について等の抽象的なものは質問要旨とは言えないと定めています。 議員は「上田市政の政策課題を検証する。その上で、将来に向けた地方政治家としての理念、あるいは自画像について伺う」と記載しておりますが、これが市議会会議規則第61条第2項の定める要件に合致するものであるかどうか、私どもは判断する立場にありません。判断するつもりもありません。しかし、あえて申し上げますと、増子議員の御質問についてもほかの議員と同様、市の職員が時間を使って準備をしなければならなかった。それでしっかりした質問をいただかないと準備できない。余計な時間、先ほど過重労働の話出ましたけれども、そういう結果になるわけです。増子議員の質問は抽象的過ぎて何を聞きたいかわからない。今いろいろ話しました。そこで初めてわかったわけです。 もちろん、全国市議会議長会法制参事、全国市議会議長会が花巻市議会のこの規則に準拠する標準規則を定めたわけで、この見解を金科玉条とするわけではないという考えはありますけれども、規則である以上、あくまで議会として、議長、あるいは議会運営委員会で、その内容についてはやはり決めておられると思います。その中で、議員一人一人が独自の解釈で、抽象的でもいいというようなことで了承するということであれば、そもそもルールとしての意味がなくなるのではないかと思います。 見てください。同僚議員たちの質問要旨。議員のような質問要旨はあったでしょうか。しっかりした質問要旨をつくって、それに基づいて市の担当者がしっかり準備して、我々も一緒に準備したわけです。議員の質問要旨はそういうものになっていない。そのようなことをまず御指摘したい。それは、先ほども申し上げましたように、議会が判断することであります。しかし、今初めて聞いたことですから、我々は議員の質問について答える準備はできていないということについては、まずはっきり申し上げたいと思います。 その上で、いろいろ話しされました。あくまで質問は私の思想とか、そういうことではない。私の考え方が市政にどうやって反映されているかということですね。これについて風が吹いていないとか、いろいろなことをおっしゃっていましたけれども、これはあくまで主観の問題でしょう。私の市政は、私の考えが色濃く出ています。施政方針とか、あるいは行政報告とか、あるいは同僚の議員の皆さんに対する質問に答えていれば、それは色濃く私の考えが出ているはずです。 議員は、よく目をつぶって下を向いておられますけれども、私は目をつぶりつつお話を聞いていると思いましたけれども、実はそうではないのかなというようにも感じる次第です。先ほどの近村議員の質問で、新興製作所跡地について、私がコンクリート殻の処理の問題、そして取得の問題について、これは平成29年12月、平成30年3月定例会でも説明しましたけれども、詳細に再度話ししました。その話を聞いた上での質問であるかどうか疑問を感じたところであります。 そして、役重アドバイザーの話を聞きました。大変重要な点を役重アドバイザーはお話ししています、そのとおり。私どもは役重アドバイザーとはよくいろいろな意見交換しています。そして、アドバイザーということで、私だけではなくて、市の担当職員にいろいろ有意義なアドバイスをしていただいている。役重アドバイザーが言ったことが全てそのままということでは、もちろんないかもしれませんけれども、そのような意味で役重アドバイザーの意見は我々はよく理解していますし、市の職員も我々も、市政で入れるべきところは入れているということを申し上げたいと思います。 それから、総合花巻病院についての話をされました。立地適正化計画をやるために総合花巻病院の移転を考えたようなニュアンスで言ったように私は感じましたけれども、これは順番逆です。私は平成26年2月に市長に就任以来、最初に平成26年6月の段階で、矢巾町に岩手医大附属病院が移転する段階で花巻温泉病院が存続するかどうかについて、相当疑問がある。はっきり言うと存続できないだろうという情報は医療関係者から聞いておりました。そんなことははっきり議会では言うわけにはいきません。聞いたことを全て言うと、誰も我々に情報を伝えなくなります。増子さんも私も中高年者ですので、これから病院に入る、病院のお世話になる可能性は大いにあります。だからそういう話を聞いて、そういう中で花巻の医療体制を守っていくためには、中部病院と矢巾町の岩手医大附属病院が高度医療を担う中で、それより先の診察、あるいは治療する病院、あるいは中部病院、あるいは岩手医大附属病院を退院させられた、しなければならない方々が入る後の病院が絶対必要だということでこの話を進めてきたわけです。 総合花巻病院に、そういう観点からこういう支援の考えはあるけれども、考える必要はないですかということについては、我々が話したということについては議会でとっくに話しています。ですから、今初めて増子議員はそういうことを聞いて話すようなことは、そもそも違うのです。我々はそういうことを考えて、中高年含めて、あるいは子供たちの医療を守るためにどうしたらいいかということを一生懸命考えて、総合花巻病院の移転の計画をつくった。これについて、もちろん個々の先生の中では違う意見の方がいらっしゃるかもしれない。しかし、我々はこれについては、岩手医大の理事長先生、あるいは中部病院の先生、そして岩手中部保健所の所長先生、あるいは花巻市医師会の会長先生、副会長先生、こういう方々に総合花巻病院の移転の検討委員会に入っていただき、意見をいただいて、その上で移るということを決めたわけです。これについては、岩手県医師会の幹部の先生たちにも、委員には入っていただきませんでしたけれども意見を聞いています。今いろいろな話が出ています。 北上市の済生会病院も我々と同じ考えですよ。移転について北上市が支援するということを決めている。そして奥州市であれば、奥州市総合水沢病院を改築するという計画については市民の反対の意見はあります。あるいは医師会の先生方の中には、花巻のように、その病院機能についての関係者の話し合いが十分ではないという意見もある。その中で、奥州市長は計画を少し延期して、今再検討している状況です。そういうこともあります。 総合花巻病院においては、機能の部分について医療関係者の方々もほとんどコンセンサスはできているのですよ。ですから、私は当初の意見ではないかと思いますけれども、増子さんが一部の先生から聞いたのは、今もいらっしゃるとすれば、余りないのではないかなと思っていますけれども、そういう意見もあるのかなと思う次第です。ですから、そういう中でやっている。 それから、医師の話です。これは全国的に大変な問題になっているのです。では5年間、10年間だったらよくなるかというと、必ずしもそうではないのですね。状況としては、そのままいくと総合花巻病院が今の診療体制を維持できるかどうかわからないという状況の中で、こういう計画をつくってそれによって総合花巻病院は元気になってきているのです。赤字が黒字になってきています。そして、医師もなかなか大学病院からは出す余裕もないという話はいまだにありますけれども、それについてお考えいただくということもある中で、やはり、総合花巻病院に医師として働きたいと希望される方も出てきているという話も実際に我々情報としては得ています。そういう中でいろいろなことを考えてやっているということなのです。 先ほど、弱い方と言いました。我々を含めて中高年も弱い人間です。そういう人のためにやるということを一生懸命やっているのであって、私が全国3番目だから、立地適正化計画をやりたいからやったというのは間違いです。花巻市は500億円ぐらい一般会計から使っていますが、税金は111億円しかありません。北上市は400億円の一般会計で136億円の市税があります。これだけの財政力の差があるのですが、それを利用することによって我々はどうにかして市民の命、健康を守っていきたいというようにやっています。そして、弱者の救済ということであれば、弱者という言葉でくくるのはいかがかとは思いますけれども、私が市長になってイーハトーブ養育センターをつくったり、これは市のお金でつくっていますから、私がつくったわけではありません。市がつくったり、あるいはこども発達相談センターも子供たちにとって住みやすいことにしている。そして、恵まれないお子さんたちの石鳥谷町の施設について、ことしの3月の予算特別委員会で、皆さんの賛成をいただいて、花巻市は当初予算において3,000万円以上の支援をするということをやっているわけです。そういうことを次々やっている。 私の市政について風が吹いているかどうかについては、これは主観の問題だと思います。ただ、議員、ぜひ今までの施政方針とか、あるいは行政報告とか、あるいはほかの議員の方々がどういう質問をして、私が答えているか見ていただきたい。そして、書斎で本を読むだけではなくて、何か聞きますと、市の政策経費24万円のうち19万円以上のお金で本を買って、大変勉強されている。大変立派だと思います。しかし、市政に関連する本が、直接そういうものがあるかわかりませんけれども、そういう勉強をするのは立派ですけれども、ぜひできれば書斎から出て市民の声を聞いていただきたい。決まり切った増子議員のお友達だけではなくて、近い方だけではなくて、例えば花南地区の行事にも出ていただいて、花南地区の市民の皆様の声を聞いていただいて、それを我々に伝えていただきたい。そのようにぜひ思う次第でございます。 先ほど、ニューヨーク州北部のネイティブの方々の国家はネーションズというのですね。御存じのように国家という意味です。ステーツが国なのですけれども、ステーツの上がネーションズといいます。そういうところで、7世代目までを考えるという話をお聞きしました。これについて、私は初めて聞きましたので、今とてもそれについての回答を準備できるような状況ではございません。したがって、申し上げられません。ただ、全米各地にそういうネイティブアメリカンズのネーションズはたくさんあって、その方々たちの非常に深い知恵というのは大きいものがあるというような知識だけはございます。 そのほかについては、先ほど医療の深沢晨雄村長の話されました。これについては、私は大変尊敬しているということは前から申し上げています。これはいろいろな理由があります。先ほど医療を頑張ったというのは、一番私の尊敬している点。私の祖父も旧村の村長時代に無医村の診療所をつくったということで、これは戦前の話ですから深沢さんよりは早いですが、ただ規模は小さいです。そういうことがあったので、これについては私はその気持ちを胸に抱きながら、花巻市の市民の医療を守るための総合花巻病院の移転については一生懸命頑張ったという事実はございます。 以上です。 ○議長(小原雅道君) 増子義久君。 ◆2番(増子義久君) 時間はもうありませんので、冒頭の議員の質問に対する御見解ですけれども、先ほどの近村議員も、どうもそのときに全国市議会議長会の決まりによるととか、議会会議規則によるとというようなことでしたが、これは質問者側のマターの話であって、答弁者側が議会のそういう決まりだとか何かいうのは大体筋違いであります。 それと、もう一つ言っておきますけれども、私の今回の質問は当局側のヒアリングを受けた上で、議会運営委員会で審議され、それで最終的に小原雅道議長の許可をいただいて質問しているわけであります。一々それは議会が決めることだと言いつつも、何か議会サイドの取り決めを常に持ち出していますが、そのこと自体がやはり越権行為なのです。それは議会で、全国市議会議長会であろうが花巻市の議会会議規則であろうが、それは議会マターの議題の権能の話なので関係ないですよ。 それで、今回の質問については、私は当局側の現場の人のヒアリングの中でも大体の輪郭を説明して、それでオーケーをいただいているのですけれども、その手続上の瑕疵について、今回上田市長は、大分強調していますけれども、議長として何かあるのですか。 ○議長(小原雅道君) これについては、今お答えすることではありませんので、後ほどお願いします。 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 私が申し上げたのは、質問に対する回答について準備ができないということなのです。それで、先ほど担当者が了承したというふうなことを言っていますけれども、担当者は了承する権限はありません。議会が決めたら、これは受けざるを得ないのです。担当者が聞いたことについて読み上げますと「地方政治家(市長)としての理念についてお聞きしたい。総合花巻病院の移転や花巻図書館の建設などの大型プロジェクトは進んでいるが、市長の公約にある新しい風の中身や上田色が見えてこない。これからの上田色に期待を含め、将来に向けた地方政治家(市長)としての自画像についてお聞きしたい」これだけなのですよ。これでは答えられない。これがどう市政に、一般事務に関係するかということです。具体的に議員は、質問を言っているではないですか。それを何で言っていただかないのかということなのです。それをやらないと担当者は困ってしまっているのです。増子さんは怖いですから、それ以上聞けないのです。だから、そこで困っているということなのです。それですから準備できなかった。 それから、議長会の話しましたけれども、これは要するにルールというのは言葉で書いているわけだから、それについて議員一人一人が勝手なルールを決めてはいけないでしょうという話をしているわけです。ただ、我々は質問がわからないから答えられないという話です。 ◎市長(上田東一君) 増子義久君。 ◆2番(増子義久君) 最後になりますけれども、最後のほうに看過できない市長の答弁がありました。私の政務活動費をどうも見て、そのうち図書費が相当な額にあると。それで挙げ句の果てには本ばかり読んでないで、世間に出てもう少し空気を吸ったらいいではないかということは、これはやはり私個人に対する名誉毀損に当たる言葉だと思いますので、市長、訂正願いたいのですけれども、どうですか。訂正しませんか。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 書籍についてお使いになったということは何も名誉毀損ではなくて、議会活動のために必要だからお買いになったと思うのです。だからそれは何も名誉毀損では、私はないと思っています。ただ、具体的にどういうことに使うかと決めるのは、これは議会です。それは市長としてそれについて意見を申し述べるつもりはありません。ただ、私は予算の策定、そして予算の執行については市長として責任を持っていますから、その部分については情報は手に入るということです。その上で、議員が必要だと思ってお買いになったのだから、何も名誉毀損ではないではないですか。何を言っているかよくわからないです。 それから、さらには市民の意見というふうに聞いていますけれども、その部分について幅広く聞いていただいて、お伝えいただければ大変ありがたいなというふうに申し上げた次第です。その上で、議員がもし非常に不快であるということであれば、それは訂正いたします。 ◎市長(上田東一君) 増子義久君。 ◆2番(増子義久君) いろいろ理屈をこねつつ、最後そう思うならば撤回するとか言いますけれども、私は明らかに個人のいろいろ思想信条に踏み入る名誉毀損だと思っていますので、ここで言って終わりにします。上田市長、いつもにやにやしていますけれども、きちっと真面目にやってください。個人の尊厳にかかわる話ですので、その辺はきちんと含んでおいていただきたい。 以上で終わります。 ○議長(小原雅道君) 以上で増子義久君の質問を終わります。 これで本日の日程は全て終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。     午後2時52分  散会...